野球で古里に恩返し 石巻日和倶楽部の石森さん、帰郷し新たな出発 目標は全国大会
「古里のために自分ができることをやりたい」-。高校から古里の石巻市を離れ、強豪校で野球に打ち込んできた石森健大さん(23)=石巻市須江出身=が今春、帰郷して新たなスタートを切った。いしのまき農協に勤務しながら市民クラブの石巻日和倶楽部でプレーする。石森さんは「野球では全国大会進出が目標。仕事でも地元の魅力を全国に発信したい」と意気込む。(大谷佳祐)
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石森さんは同市貞山小6年で、地元のスポーツ少年団「須江小クラブ」に所属していた2013年、「日本野球機構(NPB)12球団ジュニアトーナメント」に出場する「楽天イーグルスジュニア」のメンバーに石巻地方で唯一選ばれた。
同市河南東中に進学後は硬式野球に転向し、宮城仙北ボーイズ(大崎市)に加入した。最速133キロの直球とフルスイングが武器の左投げ両打ちの選手として活躍。3年時の16年は、韓国であった世界少年野球大会に日本代表の一員として出場した。
世界大会出場などを自信に、高校は米大リーグで活躍するダルビッシュ有投手や「大魔神」と呼ばれた佐々木主浩さんらを輩出した東北高に進学。目指していた甲子園には手が届かなかったが、2年秋からはエースナンバーを背負った。
帰郷を意識したのは宮城を離れていた東京農大4年の時。関東のクラブチームからオファーがあった。当初は関東での就職を考えていたが「野球を続けてこられたのは地元の存在があったから。戻って地域貢献する方が自分に合っていた」と思いを語る。
現在は、平日はいしのまき農協の職員として農家を回り、稲の生育状況などの調査を担当。土日は石巻日和倶楽部で活動し、仲間にこれまでの経験を伝えている。
凱旋(がいせん)登板になった20日の都市対抗野球1次予選(石巻市民球場)では、強風などの影響で本来の力を発揮できず1回戦で敗れた。ただ、球の出どころが見えづらいフォームで投げる直球と変化球は健在だった。
石森さんは「仕事に早く慣れ、野球でもチームに貢献する。両面で結果を出して地元を盛り上げたい」と今後の目標を語った。
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