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豊かな海願い、親ナマコ200匹放流 宮城水産高生、浜のなりわい考える 石巻・寄磯

寄磯漁港で親ナマコを放流する宮城水産の3年生ら

 宮城水産高(生徒235人)の3年生20人が23日、学内で育てた親ナマコ約200匹を石巻市寄磯漁港で放流した。海洋総合科の課題研究の授業の一環で、水産物の資源管理に理解を深めた。

 放流は県漁協寄磯前網支所青年部と連携して実施。船上から代表の生徒7人が水深5、6メートルの海に体長約15センチのナマコ約40キロを流した。

 ナマコは今春卒業した前年度の3年生が1年間育て、在校生が引き継いだ。6~7月に産卵期を迎える。卵がかえると2年で10センチ程度に成長するという。

 参加した岸光輝さん(17)は「順調に資源数が増えて漁師の収入源につながってほしい」と話し、武内のあさん(17)は「石巻の海が豊になってほしいという思いは生徒も持っている。持続的に取れるようになればいい」と期待した。

 県産ナマコは東京電力福島第1原発の処理水放出に伴う中国の禁輸措置の影響を受け、取引価格が下落している。青年部会長の渡辺元宏さん(45)によると、青年部が卸している業者との取引価格も半値に落ち込んだという。

 放流作業を見守った渡辺さんは「高校生が浜のなりわいを考えた活動をしてくれることはとてもありがたい。適切な価格に戻ることを願いながら、漁業者の間で資源管理の意識を高めたい」と語った。

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