「救命救急講習、役立った」 意識失った買い物客救う 従業員ら消防長表彰 東松島
石巻地区消防本部は24日、迅速かつ適切な救急救護活動で人命を救ったとして、東松島市内のコンビニエンスストアを訪れた客と従業員に消防長表彰を贈った。体調を崩した客に救命措置を施し、救急隊に引き継ぐことができたのは迅速な対応はもちろん、救急救命講習の受講が役に立った。
表彰されたのは同市矢本の自営業中村健司さん(45)と同市のコンビニエンスストア従業員武山悟さん(36)。3月28日午後10時ごろ、同市牛網1丁目のファミリーマート宮城小野駅前店で買い物中だった30代男性が、武山さんに「体調が悪いので救急車を呼んでほしい」と助けを求めた。
武山さんが裏の事務室で119番している最中に男性は倒れ、意識を喪失。偶然来店した中村さんがぐったりした男性を見つけ「人が倒れています」と大声で叫んだ。武山さんは男性の元に戻り、消防の指示を仰ぎながら状況を説明。呼吸を確認すると、停止していた。
この緊急事態に2人は男性の体位を変えながら、中村さんが胸骨圧迫を1分間施すと、男性の意識と呼吸が回復したという。
中村さんは速やかに救急車に乗れるように、男性に名前や年齢などを質問。2人は無事、救急隊に引き継ぐことができた。
大内正治郎消防長から感謝状を受け取った中村さんは「助かってくれてありがとうという気持ち。勇気を出せば素人でも命を助けることができる」とほっとした様子。武山さんは「1人の命が助かって本当によかった。長く勤めてきたが、こういう場面に遭遇したのは初めて」と話した。
中村さんは自らの行動について、自動車運転免許を取得した時の救急救命講習を覚えていて、心臓マッサージを施したと説明。「講習の大切さを改めて実感し、みんなに知ってほしいと思う」と語った。
武山さんは「親の緊急連絡先や病歴までとっさに聞いた中村さんの行動はすごい。もしまた同じようなことがあれば、中村さんのように対応したい」と話した。
消防本部は「病人やけが人の近くに居合わせる『バイスタンダー』の勇気ある行動が、命を救うことを証明した。もし倒れた人が異性であっても人命を優先し、助けてほしい」と強調した。
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