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春の叙勲 地道な努力に光 石巻地方9人、喜びの声

阿部欽一郎さん
佐々木和人さん
武山 徳蔵さん
斎藤 俊美さん
桜井 清一さん
境  直彦さん
小野寺昭彦さん
千葉 栄一さん
松本久一郎さん

 2024年春の叙勲受章者が29日付で発表された。県内の受章者は97人で、石巻地方からは地方自治や教育、産業などの分野で9人が選ばれた。喜びの声を紹介する。

旭日小綬章(地方自治功労)

■元石巻市議 阿部欽一郎さん(76)=石巻市長渡浜

<網小医院存続に力>

 旧牡鹿町議を含め連続8期、石巻市議を務め、2013~14年には議長にも就いた。「大変栄誉なこと。支持していただいた方への感謝でいっぱい」と語る。

 地元の網地島で唯一の医療機関、網小医院の存続に注力した。「合併後もへき地に行政の力を引き出そうという思いが強かった」。現職市議には「市民の理解を得るためにも、多くの人と交流を深めてほしい」と願う。

旭日双光章(スポーツ振興功労)

■元県弓道連盟会長 佐々木和人さん(75)=石巻市大街道南

<現在も練習に励む>

 2016年から県弓道連盟会長を8年間務めた。「受章は連盟の皆さんが協力してくれたおかげ。きりがないほど感謝していることがある」と話す。

 1971年以降、石巻市内の高校2校で弓道部の創部や指導に尽力した。今年4月には石巻弓道会会長に就いた。「年齢に関係なくできる弓道を、地元の人に楽しんでもらいたい」と現在も練習に励む。

旭日双光章(建設業振興功労)

■県建設業協会専務理事 武山徳蔵さん(72)=石巻市蛇田

<働き方改革に注力>

 石巻市で建設業を営みながら2012年から県建設業協会理事、18年から同専務理事を務める。受章に当たり「支えてくれた社員や家族、先輩たちのおかげ」と感謝が口をつく。

 官民一丸で取り組んだ東日本大震災の復興工事がおおむね完了し、今後は建設業界の働き方改革などに力を入れたいという。「受章を機に気を引き締め、しっかりと取り組んでいく」と語った。

旭日単光章(地方自治功労)

■元女川町宮ケ崎区長 斎藤俊美さん(86)=女川町宮ケ崎

<地域のまとめ役に>

 2003年から23年まで、女川町宮ケ崎区の行政区長を20年務めた。「身に余る光栄。多くの方に助けてもらった。地区の代表として受章させていただいたと感じている」と喜ぶ。

 東日本大震災後の11年秋からは町区長会の会長も兼務。地域のまとめ役として活躍した。「火災や土砂崩れなどさまざまな災害への備えを協力して万全にしてほしい」と町民に呼びかける。

旭日単光章(地方自治功労)

■元東松島市小分木自治会長 桜井清一さん(73)=東松島市大塩

<住民の自治に工夫>

 2000年ごろから約20年間自治会長を務めた。「勉強のつもりでやらせてもらった」。全戸対象の定例会を毎月開き、年間無欠席者には景品を出すなど住民自治に工夫を凝らした。

 20代から市消防団に所属し、東日本大震災では副団長として行方不明者捜索に尽力。人権擁護委員なども経験した。「時間が自由な自営業だからいろんな役が回ってきた」と笑って振り返る。

瑞宝双光章(教育功労)   

■元石巻中校長 境直彦さん(70)=石巻市桃生町

<生徒一人一人尊重>

 「身に余る光栄。多くの子どもや保護者の方々に感謝している」。地域あってこその学校との理念を持ち、生徒一人一人を大切にする学びを心がけた。

 2010年4月~11年6月に石巻中校長を務め、東日本大震災を経験した。市教育長も約10年務めた。「災害を乗り越えて築いた現在の生活を大切に、夢を持ち続けてほしい」と、かつての教え子たちの活躍を願う。

瑞宝単光章(鉄道業務功労)

■元JR小牛田保線技術センター所長 小野寺昭彦さん(70)=石巻市渡波町

<安全輸送求め続け>

 受章を「身に余る光栄。当時の上司、同僚、後輩、家族の支えに感謝したい」と謙虚に喜ぶ。

 1973年の国鉄入社以来、保線業務に携わってきた。「1人ではできないグループ作業。無事勤め上げさせてもらった」。ミリ単位の保線・管理に力を注ぎ、安全、安定輸送の確保を追求してきた。「お客さまに愛される鉄道、JRであり続けてほしい」と後輩にエールを送る。

瑞宝単光章(消防功労)  

■元石巻市消防団副団長 千葉栄一さん(74)=石巻市井内

<力頂いた方に感謝>

 「いろいろな人からの力を頂いてできたこと。皆さんに感謝している」と笑みを浮かべる。

 1975年に石巻市消防団17分団に入団し、48年間活動した。最後の3年間は副団長として支えた。東日本大震災では20~30人の団員と連携して石巻大橋周辺のがれきを撤去し、橋を開通させた。後輩へ「ぜひ長く務めて、さまざまな経験を積んでほしい」と期待する。

瑞宝単光章(消防功労)

■元石巻市消防団副団長 松本久一郎さん(73)=石巻市田道町

<地域のため入団を>

 農業の仕事の傍ら昨年3月まで約45年間、石巻市消防団に所属し、副団長も3年間務めた。受章を「女房や団員の皆の協力のおかげ」と感謝する。

 最も印象深いのは東日本大震災。避難所で破水した妊婦への対応や乳児のための水の確保などに奔走した。消防団はなり手不足が課題。「地域のためだけでなく自分のためにもなる。多くの人に携わってほしい」と願う。

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