女川原発 県と2市町、立ち入り調査 廃炉作業や新設備確認
県と女川町、石巻市は14日、東北電力との原子力安全協定に基づき、女川原発(女川町、石巻市)で立ち入り調査を実施した。1号機の廃炉作業の進捗(しんちょく)状況や、新たに設置する使用済み核燃料乾式貯蔵施設などを確認した。
県と女川、石巻などの担当者約20人が、3月下旬に撤去が終了した1号機建屋の外の主変圧器の解体現場を調査。変圧器は昨年7月から撤去工事を行っていた。
使用済み核燃料乾式貯蔵施設と、2号機に新設する三つ目の直流電源設備(蓄電池)の設置予定箇所もそれぞれ確認。東北電社員から設置の経緯や役割について説明を受けた。
海抜36~38メートル地点に、二つの建屋を整備する使用済み核燃料乾式貯蔵施設については、冷却した燃料を金属製容器に移して空気の自然対流で冷却する仕組みや、原子炉建屋内の燃料プールが4年程度で容量を超えてしまうという新設の背景などが電力側から説明された。
直流電源設備は、既にある外部電源や非常用ディーゼル発電機の機能が失われた場合に使用。原子炉に注水する設備などに電気を送る。
女川原発では2号機の安全対策工事の6月完了、9月ごろの再稼働を目指している。6月からは1号機の使用済み燃料を2号機または3号機に移して貯蔵する予定。
県原子力安全対策課の長谷部洋課長は「作業員の安全を第一に考えて工事を進め、関係自治体や県民にも分かりやすい情報公開をしてほしい」と述べた。
女川原発の阿部正信所長は「国の審査結果や、自治体から指摘があった点は見直し、信頼される発電所にしていく」と話した。
調査には県や石巻市、女川町の他、原発30キロ圏内の東松島市、登米市、涌谷町、美里町、南三陸町の職員も参加した。
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