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地方から世界へ アイリスオーヤマ大山会長が講演 石巻市職員ら、経営姿勢学ぶ

モノづくりへの考え方や経営姿勢について語る大山氏

 アイリスオーヤマの大山健太郎会長(78)が17日、石巻市穀町の市ささえあいセンターで「ユーザーイン経営」を演題に講演した。市の若手職員ら約100人が聴講し、地方から世界に展開する「グローカル企業」に成長させた経営者の視点を学んだ。

 大山氏は19歳で東大阪の社員5人、年商500万円の町工場の社長に就いた。産業資材メーカーとしてスタートし、プラスチック製の養殖用ブイなどのヒット商品を生み出す。オイルショックを乗り越え業態転換し、園芸用品でガーデニングブームをけん引した。

 東日本大震災を経て、日本の社会課題を解決する「ジャパン・ソリューション」という理念を掲げた。発光ダイオード(LED)照明、精米、家電、マスク、ロボティクス、飲料水などの各種事業にも取り組む。

 海外でも幅広く事業を展開する。大山氏は「会社の目的は永遠に存続すること。いかなる時代環境においても利益の出せる仕組みを確立する」と語った。

 競合メーカーとの競争の中で「オンリーワンの商品開発」に力を入れる。1年間に発売する新商品は同社単体で約1000アイテムだという。

 「日本の1番の課題は消費の中心となる生産年齢人口の減少。2025年から10年後には平均で1割、20年後には25%減ることを考え、企業経営をすべきだ」と指摘した。

 「10年単位だった想定外の事が今は3年単位で起こる。世の中の変化はビジネスチャンスにつながる。アイリスオーヤマは効率50%、効果50%の経営。効率経営は変化に対応できない」と主張。「会社は株主のものではない。売り上げ、利益を上げてくれるのは社員。働く社員にとって良い会社を目指す。利益は伸び過ぎるのは良くない。一歩一歩がいい」と話した。

 同社は生活者目線に立って不満や不便を解決するモノづくりの「ユーザーイン発想」に着目する。大山氏は、ユーザーイン経営を実践する上で生活者の視点を重視する姿勢を強調した。

 若手職員に対しては「人口減少社会で東京一極集中が進む中、プラス思考で頑張ってほしい」とエールを送った。

 講演会は同日、同社と市が包括連携協定を結んだのに合わせて開催した。

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