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児童生徒の避難、大雨想定し演習 石巻市教委、小中学校対象の研修会 管理職が議論

緊急避難の判断基準やタイミングを話し合う参加者

 石巻市教委は21日、市内の小中学校などの管理職を対象にした防災研修会を石巻市開成のマルホンまきあーとテラス(市複合文化施設)で開いた。東北大災害科学国際研究所などが講義や演習を行った。参加者は学校管理下の児童生徒を災害から守ろうと、緊急避難の判断基準について議論を深め合った。

 市内の幼稚園や小中学校などで園長や教頭、校長を務める約50人が参加した。東北大災害研の桜井愛子教授らが、大雨の際に緊急避難を判断するための情報収集方法を説明した。北上川に囲まれた低地にあり、大雨の際に土石流や洪水の危険性がある市飯野川小の避難を想定して講義した。

 初めに国土地理院のウェブサイト「重ねるハザードマップ」で学校周辺の地形を確認した。避難の判断材料として、気象庁のサイト「キキクル(危険度分布)」や、国土交通省などが発表する川の氾濫情報、市の避難情報などを挙げた。ネット以外の情報収集方法として、近隣住民や教職員の目視で被害を確認する方法も示した。

 桜井教授は「避難の判断をするためにはリアルタイム情報を独自に収集しなければいけない。また、さまざまな災害種別ごとに複数の緊急避難場所を想定し、状況次第でどこに逃げるのか決められるようにしてほしい」と呼びかけた。

 2022年7月の記録的大雨を基に、飯野川小から河北総合支所に緊急避難するタイミングを決める演習もあった。参加者は班ごとに分かれ、時系列で変化する気象や河川水位、避難情報などを参考に議論。総合支所の各フロアの階高や床面積も考慮し「総合支所と事前調整が必要だ」「3階にはけがをした児童を手当てできるスペースがある」などと意見を出し合った。

 管理職対象の研修会は昨年に続き今回で2度目。会を主導するワーキンググループに所属する大谷地小の永沼克之教頭は「今回のような研修内容を子どもたちにも取り組んでもらい、自分の身は自分で守るという考えにつなげてほしい」と話した。

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