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ジビエ、家庭に提供 女川のシェフ山田さん、自ら狩猟し味付け 6次産業化挑む

家庭でも楽しめるジビエ商品の販売を始めた山田さん

 女川町のJR女川駅前のテナント型商店街「シーパルピア女川」にある「洋食レストランりぼん」が今月、牡鹿半島で捕獲したニホンジカのホルモン焼きの販売を始めた。店長でシェフの山田隆大さん(33)が狩猟免許を取得し、自ら仕留めて提供する。新型コロナウイルスの影響で休業したのをきっかけに6次産業化に挑戦した。山田さんは「地元食材の魅力を創出しながら地域の課題解決につなげたい」と意気込む。

 冷凍で販売するホルモン焼きは3種類。味付けしてあり、解凍してフライパンで焼くだけで家庭でもジビエ料理が味わえる。ふわふわした食感の肺(フワ)はクセがなく、特製のタレと相性が良い。レバーは鉄分豊富で、くどくなくさっぱりとしている。

 ネギ塩ダレで味付けしたタンは、タン元はジューシー、タン先はコリコリとした食感が特徴。肺とレバーは100グラム入り700円。タンは120グラム入り1500円。現在はもも肉を使った商品開発にも取り組む。

 りぼんは2014年、町民野球場にあった仮設住宅団地内にコンテナで店を構えた。16年からはシーパルピアで営業する。地元の魚介類を使ったパスタなどを提供し、数年前から鹿肉を使ったハンバーグやピザもメニューに加えていた。

 コロナ禍で店を休業していた20年秋、知り合いの猟師に声をかけられて狩猟に同行した。「より地元と向き合った料理を作りたいと考えていた。自然の迫力、息遣いを感じ、自分の力でジビエを提供したいと思った」と振り返る。

 狩猟免許の講習会に参加。座学と実技を重ね、県内で発生するシカの食害などにも理解を深めた。21年7月に免許を取得し、22年2月に町内の山で初めてシカを捕った。

 これまでに仕留めたシカは約30頭。加工は先輩猟師に依頼したり、自ら加工場を借りて行ったりする。狩猟で山に登り、ワラビやフキといった山菜も採るようになった。「宝探しみたいで楽しい。女川は海だけでなく山にも魅力が詰まっている」と語る。

 今後は町内でのイベント出店や飲食店への卸販売を強化し、認知度向上を目指す。山田さんは「家庭でも使いやすい商品にした。味の良さを知ってもらい、地元食材として根付かせたい」と力を込めた。

 営業は正午から午後4時と、金土日曜の午後6時から10時。定休日は毎週水曜と毎月最終火曜日。交流サイト(SNS)で情報を発信している。連絡先はりぼん0225(25)7490。

レストランりぼん - Facebook

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