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虐待防止へ地域一丸 東松島市要保護児童対策協が代表者会議 関係機関と連携強化

各関係機関の代表者らが情報共有した協議会の代表者会議

 東松島市が設置する「市要保護児童対策地域協議会」が、児童虐待防止に向けた取り組みを強めている。市内の要保護児童は減少傾向にあるものの、継続的な支援や対応を要するケースが多い。協議会は定期的な会議を通して関係機関の情報共有と連携を図る一方、市も庁内体制を強化するなどして対応している。

 協議会は市、幼稚園、小中学校、児童委員、石巻署、法務局などで構成。22日は市内で代表者会議があり、出席者17人が日頃の取り組みや現状を報告した。

 石巻署の担当者は、虐待相談に加えて家出や行方不明者届、救急搬送の事案からも虐待などの兆候がないかを確認していると説明。仙台法務局石巻支局は、保護者や身の回りの人に相談できない悩みを受け付ける「こどもの人権SOSミニレター」を6月から小中学校に配布するとした。

 保護者や子どもと接する機会の多い学校関係者は「虐待に加えて障害など複合的に問題を抱える子もおり、学校だけでは対応できないケースがある」と指摘。「マスクを外す子や親が増え、表情から変化を感じやすくなった」「開かれた学校づくりにより、地域の人と連携が取りやすくなった」といった声も出た。

 協議会は代表者会議のほかに実務者会議を年3回実施。支援や保護が必要なケースの早期発見に取り組み、状況に合わせて調査や支援方針などを検討し、適切な保護に務めている。

 市によると、市の要保護児童の取扱件数は昨年度105件(前年度比14件減)で、約6割が育児放棄(ネグレクト)や身体的な虐待などだった。件数は過去最多だった2021年の147件から減少傾向にある。同市を所管する県東部児童相談所は年間約1000件の事案を抱えているが、昨年度の取扱件数は983件(暫定値)で、前年度から146件減った。

 同相談所の佐藤由華所長は取扱件数の減少について「少子化が影響している可能性がある」と分析する一方、「市民の児童虐待に対する関心が高まり、暴言や泣き声など近所のささいな変化に気づき、通報してもらえている」と、件数が依然として高止まりしている背景を説明する。

 市も対応の強化に乗り出している。本年度、子どもへの一体的な相談支援を行う「市こども家庭センター」を子育て支援課に設置。これまで子どもと妊婦など別々に取り扱ってきた問題を包括的に支援し、同協議会など各サポート機関に速やかに橋渡しする。渥美巌市長は「虐待を食い止めるには、円滑な連携体制と発見・対応が重要になる」と強調する。

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