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着信鳴る前に警告メッセージ 詐欺電話の撃退装置、石巻署が貸し出し 早期相談を

特殊詐欺電話の撃退装置と、活用を呼びかける菅原課長

 特殊詐欺の被害が後を絶たない。石巻署管内では5月末時点で5件(前年同期比1件増)発生し、被害額は1080万円(408万8000円増)に上る。高齢者を狙った電話での架空請求や還付金詐欺が目立つという。同署は詐欺電話撃退装置を使った対策を進め、不審電話の早期相談を呼びかけている。(相沢春花)

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 撃退装置は通話内容の自動録音機能を供えた固定電話。発信者に対し、着信音が鳴る前に「通話内容を録音します」などと警告メッセージを流す。

 同署は既存の固定電話に取り付けるタイプの撃退装置を15台用意し、希望者に貸し出している。管内の65歳以上で不審電話を受けた人らを対象に、相談を受けた上で貸し出す。期間は1回3カ月で、定数を超えた場合は申し込み順。

 菅原堅一生活安全課長は「撃退装置は迷惑電話も防ぐことができる。貸し出しで効果を実感して購入し、詐欺から身を守ってほしい」と話す。

 県内では昨年、特殊詐欺被害が352件(前年比29件増)発生し、被害額は9億7477万円(4億6891万円増)だった。今年も4月末までに114件(前年同期比7件増)、3億2998万円(1億3441万円増)で、被害は増加傾向にある。

 ターゲットは高齢者に限らず、若年層にも及ぶ。同署によると、投資や仮想通貨の流行が背景にある。うそのもうけ話や資産運用の提案などを持ちかける手口が増えている。電話だけでなく、インターネットや交流サイト(SNS)で一対一でやりとりをするケースも増加。SNSを使って恋愛感情を利用する「ロマンス詐欺」も横行しているという。

 菅原課長は「架空請求などは幅広い年代が狙われている。怪しい話には注意し、家族や警察に相談してほしい」と呼びかけている。

県警、装置購入費の一部補助

 県警は高齢者らをターゲットにした特殊詐欺被害防止のため、詐欺電話の撃退装置購入費を一部補助している。本年度は3日に申し込み受け付けを始めた。

 対象機器は撃退機能が付いた固定電話か、既存の電話に取り付けるタイプなど。補助対象は県内の65歳以上で、自治体などから同様の装置の貸し出しを受けていない人。1世帯1台。補助額は購入金額の2分の1で、上限7000円。

 希望者は領収書と本人確認書類などを用意。申請用紙は県警本部ホームページからダウンロードする。必要書類を県警本部生活安全企画課犯罪抑止対策係に郵送か持参し、申し込む。窓口での受け付けは平日午前8時半~午後4時。

 連絡先は犯罪抑止対策係022(221)7171内線3034、3035、3036=平日午前8時半~午後5時=。

特殊詐欺電話撃退装置等購入費補助金交付申請の受け付け - 県警

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