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環境に優しい「竹染箸」 一関の容器メーカー、石巻・宮富士工業と共同開発

製造技術で特許を取得している竹染箸
「竹染箸」を製造するジェイパック化工の鈴木社長(左)と宮富士工業の後藤社長=ジェイパック化工石巻工場

 発砲ポリスチレン容器メーカーのジェイパック化工(岩手県一関市)が、竹に自然染料を塗布した「竹染箸」を、溶接事業所の宮富士工業(石巻市大街道東2丁目)と共同開発した。合成樹脂(プラスチック)製の食器類への規制を強化する法改正を踏まえた新事業。竹を染料で染める技術は世界初といい、ジェイ社は特許を取得した。

 食品衛生法の改正に伴い、法律で定めた規格に適合しないプラスチック製の食器類の製造・販売は禁止される。2020年6月に同法が改正され、5年間の経過措置を経て来年6月から完全施行される。

 竹染箸の開発は、地球環境問題に対応し、国連の持続可能な開発目標(SDGs)を推進する目的。ジェイ社は23年10月、石巻市三ツ股4丁目に石巻工場を設立し、今年4月に生産を始めた。月40万本を生産しており、国内外の外食産業や小売店に販売している。

 石巻市が「SDGs未来都市」に選定されているのを受けて同市への進出を決めたといい、地元企業の宮富士工業も竹染箸の開発に加わった。後藤春雄社長(77)は「環境問題に貢献するジェイ社の考え方に賛同した」と動機を語る。

 ジェイ社の大久宏治事業部長(66)は「プラスチック製品を焼却すると環境汚染が懸念される。(竹染箸は)持続可能な資源である竹に着目し、100%自然素材だけで製造している」と言う。鈴木実社長(65)は「環境と人に優しい世界初の竹染箸を、SDGs未来都市の石巻から発信したい」と意気込む。

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