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津波対策、電源確保へ備え 女川2号機、安全工事完了 報道陣に公開

注水設備が全て使えなくなった場合のバックアップとして新たに設置したポンプ(代表撮影)
津波が水路から敷地内にあふれるのを防ぐ防潮壁(代表撮影)

 東北電力は13日、9月の再稼働を目指す女川原発2号機(女川町、石巻市)で、再稼働の前提となる安全対策工事が5月に完了したことを受け、発電所構内と原子炉建屋内を報道陣に公開した。

 海抜29メートルにかさ上げした防潮堤や、津波が取水路から敷地内にあふれるのを防ぐ防潮壁などの設備について説明した。防潮壁は高さ5.2メートル~6.2メートルで、海水ポンプ室の周囲など4カ所を囲う。外部電源の喪失を想定したガスタービン発電設備なども公開した。

 建屋内では、高圧代替注水ポンプや原子炉格納容器の破損を防ぐフィルター付きベント(排気)装置といった設備を紹介した。注水ポンプは原子炉の冷却機能喪失時、原子炉圧力容器に水を送り、炉心の損傷を防ぐ。蒸気の力で動くため電源喪失時にも稼働する。

 原子力規制委員会の新規制基準に対応するための安全対策工事は2013年5月、防潮堤工事から着手。原子炉格納容器内の圧力を下げる圧力抑制室の耐震補強、原子炉の冷却機能喪失に備えた大容量の淡水貯水槽、送水ポンプ車の整備なども実施した。安全対策工事費の見込みは約5700億円。

 女川原発の阿部正信所長は「工事は完了したが、今後も新たな知見を受け止め、安全対策を怠ることがないようにする。13年前とは違った設備も入っている。訓練をしっかり実施し、職員のスキルも上げていきたい」と語った。

 東北電は今後、重大事故などを想定した訓練を実施する。7月に原子炉への核燃料挿入開始を計画。9月の再稼働、10月の営業運転開始を目指す。

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