(922)蛇を見るときも一番前に立つ/今瀬剛一(1936年~)
俳句の基本は季語や対象をよく観察することと言われる。じっくり見て誰も気がつかないような発見を句にできたらよいのだが、これが難しい。吟行会だろう。誰かが「蛇」と遭遇して騒ぎ出した。そんなとき、よく見るのが俳人の心意気と前に出たのだろう。また「も」からは、句会を指導する作者なので、本音は恐ろしくて苦手…
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- ・(921)赤い花買ふ猛烈な雲の下/富澤赤黄男(1902~1962年)
- ・(920)あやめ艸(ぐさ)足に結(むすば)ん草鞋(わらじ)の緒/松尾芭蕉(1644~1694年)
- ・(919)死思えるは生きておりしよ著莪の花/大井恒行(1948年~)
- ・(918)朝焼や酢の金色(こんじき)を飯に打つ/土屋遊蛍(1944年~)
- ・(917)蝸牛伸びきつて殻はづれさう/吉田林檎(1971年~)
「秀句の泉」は、俳句の魅力を伝えます。執筆は俳人の永瀬十悟さん(福島県須賀川市)、浅川芳直さん(宮城県名取市)、及川真梨子さん(岩手県奥州市)の3人。古典的な名句から現代俳句まで幅広く取り上げ、句の鑑賞や季語について解説します。