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事業承継わがことに 石巻専修大がワークショップ 学生8人、事業計画作成へ

事業承継促進のアイデアを谷本さん(右)に発表する学生たち

 経営者の親族からの事業承継を予定する学生に向けた石巻専修大(石巻市南境)の講義「創業・家業をデザインするワークショップ」が始まった。同大が創業や経営支援を手がける石巻産業創造と共催し、全5回を通して将来の事業計画を作成する。学生は中小企業の現状や経営者の心得を学び、会社経営をわがこととして見つめた。

 初回の5日は石巻市開成の石巻産業創造で開かれた。事業承継や起業を志す同大4年の8人が受講し、県信用保証協会(仙台市)の業務企画課長谷本研さん(44)が講師を務めた。

 谷本さんは、国内企業の99.7%を占める中小企業の事業承継について説明。後継者不足による倒産が全国的に増える一方、合併・買収(M&A)といった手法が広まり、後継者不在率は改善傾向にある状況などを紹介した。

 将来事業を承継すれば、学生は経営者の立場に身を置くことになる。谷本さんは労働や人材育成、意思決定などに対する従業員と経営者の違いを示し「責任は重いが、やりがいも大きい。皆さんが家業を継いだ時には全力で取り組んでほしい」と激励した。

 学生が事業承継を促進するアイデアを発表した。「若者が活躍できる環境をつくる」「後継者が子どものころから興味を持ってもらう」などと意見が上がった。家族が市内でバス会社や福祉業を営む三浦健士朗さん(21)は「家業を継ぐために必要な基礎知識を知り、経営者になるイメージをすることができた」と話した。

 地域を支える経営者を育てようと、同大の杉田博経営学部長が初めて企画した。石巻産業創造と連携して、事業承継をした県内の企業から講師を招く。7月17日まで週に1回、全5回を開き、事業計画書の作成と発表を目指す。石巻市内からは、自動車用部品やリチウムイオン電池を製造するI・D・F(同市皿貝)の佐藤幸太郎社長が登壇する。

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