「震災の恩返しへ一心」 石川・珠洲市派遣の石巻市職員、市長に報告
能登半島地震で被災した石川県珠洲市に派遣された石巻市廃棄物対策課の星直幸さん(46)が1カ月間の業務を終え、5日、市役所で斎藤正美市長に活動内容を報告した。
星さんは石巻地区広域行政事務組合所属で、同課と併任の立場で4月23日から5月24日まで派遣された。被災家屋の公費解体や自費解体の支援業務、避難所の生活ごみやし尿の回収ルートの作成などに携わった。
解体業務では、申請の窓口対応や着工時の現場確認、立ち会いを担った。珠洲市の公費解体の受け付けは3月25日に始まり、5月31日現在で申請受け付けは2291件、計3466棟。このうち、同24日時点で解体が済んだのは72棟にとどまるという。
「宿泊場所が確保できず解体業者が現地に入れない。1階がつぶれた家屋は、(屋根などの)うわべを取って住民に貴重品や思い出の品を取り出してもらう場合もある」と解体に時間を要する理由を説明した。
星さんは「東日本大震災の時の恩を全国に返すという一心で活動した。市民は温かい方が多く、珠洲市に行って勉強になった」と話した。斎藤市長は「大活躍してくれたと思う。健康で無事帰ってきてくれたことが何よりだ」とねぎらった。
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