東松島市総合防災訓練 9500人が参加 自家用車での避難、安全ルート見極め
東松島市と市自主防災組織連絡協議会は16日、大津波を想定した本年度の市総合防災訓練を実施した。市民や関係機関の担当者ら計約9500人が参加し、地区ごとに避難所の運営方法や備蓄品などを確認した。避難所が遠い地域の住民は自家用車での車避難を実践した。
訓練は午前9時に宮城県沖を震源とするマグニチュード8.0、震度6強の地震が発生し、東北の太平洋沿岸に大津波警報が発表された想定で行った。
市は避難場所までの距離が1キロを超える40行政区に車避難を認めている。訓練では、そのうち大曲、赤井両地域の計21行政区に参加を呼びかけた。沿岸部のみそら工業団地の事業所や、矢本地区の関の内西自治会も自主的に参加。訓練開始を告げるサイレンと同時にそれぞれ避難を始め、内陸の高台にある市鷹来の森運動公園に計約60台が次々と入った。
大曲地域の貝殻塚二行政区の無職千葉茂雄さん(69)は「古い家屋が倒壊して車を出せない恐れもある。訓練を重ねて、より安全なルートを見極めたい」と話した。関の内西自治会副会長の辺見正一さん(72)は「今日は参加者が少なくスムーズだったが、災害時には大渋滞が予測される。課題を洗い出すためにも、より多くの人が参加する必要がある」と指摘した。
訓練で市は市役所本庁舎に災害対策本部を設置し、17カ所に避難所を開設。各自主防災組織はマンホールトイレの設置法や蓄電池などの装備品を確認した。東矢本中央公園臨時ヘリポートでは、同市の航空自衛隊松島基地の松島救難隊がヘリコプターによるつり上げ救助訓練を行った。
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