(933)地図に在る泉はみどり誰もゆかず/原雅子(1947年~)
広げられた地図の中に、緑に色分けされた泉が描かれています。泉が載るのは珍しいですが、お手製の図面なのかもしれません。そこは山の奥深くか、険しい場所なのでしょうか。誰も人は訪れないようです。泉は一年を通してありますが、ありさまが最もみずみずしい夏の季語となっています。実在の泉も周りの木々を映し、濃い…
関連リンク
- ・(932)明易の鴉のなかを掃きにけり/草子洗(1975年~)
- ・(931)スーパーカブに乗れば敵なし雲の峰/木田智美(1993年~)
- ・(930)人殺ろす我かも知らず飛ぶ蛍/前田普羅(1884~1954年)
- ・(929)紫蘇の香の厨(くりや)ニクロム線の朱/一力 五郎(1902~1947年)
- ・(928)夏草やかつて人間たりし土/長谷川櫂(1954年~)
「秀句の泉」は、俳句の魅力を伝えます。執筆は俳人の永瀬十悟さん(福島県須賀川市)、浅川芳直さん(宮城県名取市)、及川真梨子さん(岩手県奥州市)の3人。古典的な名句から現代俳句まで幅広く取り上げ、句の鑑賞や季語について解説します。