(934)形代へ吹く息けもの臭きかな/恩田侑布子(1956年~)
旧暦6月30日に行われる夏越(なご)しの祓(はらえ)。半年間の心身の穢(けが)れを祓う茅(ち)の輪くぐりや形代(かたしろ)流しをする。形代は人の形の白紙で、名前を書き、息を吹きかけたり体を拭ったりして、穢れを形代に移す。掲句には思いがけず自分が「けもの」だったと気づいた驚きがある。混乱の時代でもあ…
関連リンク
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「秀句の泉」は、俳句の魅力を伝えます。執筆は俳人の永瀬十悟さん(福島県須賀川市)、浅川芳直さん(宮城県名取市)、及川真梨子さん(岩手県奥州市)の3人。古典的な名句から現代俳句まで幅広く取り上げ、句の鑑賞や季語について解説します。