震災伝承、防災普及へ議論 イベント開催に向け会議 石巻市
東日本大震災の伝承活動や防災知識の普及などを目指し、石巻市が毎年度開くイベント「石巻防災・震災伝承のつどい」に向けた本年度の第1回会議が、市蛇田公民館であった。参加者は昨年までの実施状況から成果や課題を確かめ、本年度に開催する集い(2025年1月)の方針などを話し合った。
集いは市の震災伝承支援事業の一環で2022年度にスタートした。市民に伝承活動や防災知識を広め、活動者同士で顔の見える関係性を築くのがねらい。昨年度の第2回までは団体紹介のパネル展示のほか、防災グッズや設備の体験、関係者のパネルディスカッションなどのプログラムを実施してきた。
第1回会議は6月19日にあり、市震災伝承推進室や石巻地方の伝承団体などから関係者約25人が参加。これまでの成果や課題を確認した。活動者同士のつながりができたことや、来場者の増加などが成果として挙がった。一方、学生の参加不足や、集客のためにプログラム内容が防災から離れてしまったことが課題として共有された。
中高生や大学生といった若者の関心を高めるプログラムについては、市内の学校教員が被災経験のない世代に入れ替わったことを受け「学校の震災当時の被災状況を伝える展示が必要」との提案があった。コミュニティーづくりの側面から「高齢者の避難や自治防災の課題を掘り下げたい」とする要望もあった。
本年度のつどいは来年1月26日に市蛇田公民館で開かれる。市震災伝承推進室の鈴木良彦室長は「伝承者や団体の活動を知ってもらい、防災についても内容を充実させたい。準備の段階から顔の見える関係を築いていく」と話した。
会議は来年1月まで毎月第3水曜日に開催する。次回は今月17日に市震災遺構門脇小で開かれる。
関連リンク
- ・第2次石巻市総合計画 推進会議、市民目線で進展状況検証 「移住・定住」内部評価A
- ・「米軍演習などで住民不安広がる」 東松島市長、防衛省に交付金増額要望
- ・能登半島地震支援 「ブルーインパルス搭乗記」執筆者ら、東松島市に原稿料寄託
- ・石巻地区日中友好協が総会 温州市と友好都市締結40周年、市の記念事業に協力
- ・地元産の魅力PR 石巻に「かき小屋」、12日開店 水産加工業マルシュウフーズ