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副葬品「散華」でNPO支援 石巻・西光寺、昨年度集めた13万円寄贈

高橋共同代表理事(右)に寄付金を贈った樋口住職

 納棺時に遺族らがひつぎに入れる六文銭の代わりにハスの花を模した「散華(さんげ)」を購入して納めてもらい、その利益を社会福祉活動に寄付している石巻市門脇町2丁目の西光寺は昨年度の活動で集まった13万4404円を、同市のNPO法人やっぺすに贈った。

 六文銭は「死後の世界で困らないように」と故人に持たせる副葬品。近年は金銭など金属の副葬を禁じる自治体が多く、火葬後に残った小銭をお守りに持ち帰る風習も薄れてきている。

 散華は出棺時などにまく色とりどりの色紙で、納めるとひつぎが華やかに飾られるという。

 西光寺では数年前から六文銭を入れる習慣を改め、社会福祉に寄付し、副葬を善意につなげる取り組みを始めた。遺族らに説明して1セット3枚を100円で購入してもらい、利益分の40円を寄付金に充てる。

 樋口伸生住職は「悼む心が社会に慈悲を生む力になり、故人も望んでいることと信じている。悲しみのなかでも見返りを求めず行動することで、残された人の成長にもつながってほしい」と願う。

 やっぺすへの寄付は2022年に始まり3回目。今回で総額は60万円近くになっているという。

 同法人は生活に困窮する女性が一時避難できる民間シェルター「やっぺすハウス」を運営しており、寄付金は主に運営費などに充てられる。

 樋口住職から6月27日に目録を受け取ったやっぺすの高橋洋祐共同代表理事は「運営は助成金などが頼りになっているのでありがたい。シェルターの活動などを多くの人に知ってもらえるようにしたい」と感謝した。

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