能登半島地震 日本カーシェアリング協会、無料貸出期限を延長 需要高止まり
日本カーシェアリング協会(石巻市)が能登半島地震の被災地で行う被災者向けの車の無料貸出件数が過去最多となり、1日現在で2820件となっている。発生から半年が過ぎても需要は高止まりしており、協会は今月31日だった現地での貸出期限を10月15日まで延長することを決めた。
貸出件数は、これまで最多だった西日本豪雨(2018年)の629件を大きく上回った。地震の被害が広域かつ大規模であることが、需要が高い背景にあるとみられる。
協会が6月に実施したヒアリング調査で、利用者の約半数が「貸出期限までに返却できるめどが立っていない」と回答したことなどを受け、延長を決めた。
協会の石渡賢大事業部長は「水害などでは4カ月ほどで貸し出し車両の8割が返却されるが、能登半島ではまだまだ車を必要としている方が数多くいる」と語る。貸し出し車両の約4分の1を貨物車が占め、がれき撤去などのニーズも依然高いという。
貸し出し車両の事故が多発しており、保険料の負担が増えることが見込まれることから、協会は7月中にクラウドファンディング(CF)を開始して、財源確保を図る予定だ。
協会は夏季に多発する豪雨災害に備え「災害時返却カーリース」の利用も呼びかけている。平時は月額1万1000円で車を借りることができ、有事の際に協会の要請から10日以内に返却する仕組みで、現在全国で40件の利用実績がある。石渡部長は「日常の中で行える被災地支援の取り組みとして、多くの方に関心を持ってもらいたい」と話す。
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