(941)泳ぐ子よ湖(うみ)の深さは雲の峯/佐藤紅緑(1874~1949年)
湖に映った夏の積乱雲。この湖はこの雲がすっぽり入る深さと見えるほど、吸い込まれるように美しい。子どもへ「大志を抱け」と言わんばかりに語りかける口調がやさしい。佐藤紅緑は子規一門の四天王の一人にして、河北新報婦人家庭欄初代主筆(俳句欄創設者)、俳人、劇作家、そして『ああ玉杯に花うけて』など児童文学に…
関連リンク
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- ・(938)大夕焼より妹の生まれけり/坂本佳樹(2005年~)
- ・(937)おやすみと電話を切つて金魚見る/黒岩徳将(1990年~)
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「秀句の泉」は、俳句の魅力を伝えます。執筆は俳人の永瀬十悟さん(福島県須賀川市)、浅川芳直さん(宮城県名取市)、及川真梨子さん(岩手県奥州市)の3人。古典的な名句から現代俳句まで幅広く取り上げ、句の鑑賞や季語について解説します。