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韓国の若者たち、被災地・石巻巡る SNSで発信 街の魅力や課題探り交流

市中心街を歩いて巡り、魅力や課題を探る訪日団の学生ら

 韓国の大学生らでつくる訪日団「ジャパンリポーター」が12日、石巻市を訪れ、東日本大震災からの復興やまちづくりについて学んだ。交流サイト(SNS)などの発信に力を入れる約40人が市中心部を歩いて街の魅力や課題を探り、発信の方法を考えた。日本外務省のプログラムの一環で、日本の魅力を韓国で広く発信してもらうのが狙い。

 訪日団は中央2丁目のみやぎ生協文化会館アイトピアホールで、震災復興や市街地再生について講義を受けた。市内のまちづくり会社「街づくりまんぼう」の苅谷智大街づくり事業部長がマンガや河川堤防を活用した取り組みを紹介。「石巻を好きな人を増やすことがまちづくりの一歩だ」と強調した。石巻専修大経営学科の庄子真岐教授(経済学)のゼミ生によるプレゼンもあった。

 中心市街地の魅力や課題を探るまち歩きでは、3グループに分かれて中央2丁目周辺を散策。「かわまちオープンパーク」(北上川河川堤防)や萬画神社、ビール醸造所「イシノマキホップワークス」を巡った。

 ブログで日本の観光について発信している韓国・江原大3年のパク・ボミさん(21)は「看板に津波の高さが書いてあり、ここまで来るのかと驚いた。石巻の歴史や震災について韓国の人に興味を持ってもらえるようにしたい」と話した。

 参加者はスマートフォンやカメラで景色を記録したり、記念撮影を楽しんだりしたほか、同行した石巻専修大生と笑顔で交流を深めた。同大では、まち歩きの発見を発表するワークショップにも取り組んだ。

 経営学科3年の今野颯太さん(20)は「文化的に日本と近く、話が合うことに驚いた。石巻に関心をもってもらい、韓国のことをもっと知りたいと思った」と語った。

 訪日団は8泊9日の日程で県内や大阪府内を視察する。外務省のプログラムとして、日韓文化交流基金が毎年企画する。あまり知られていない日本の魅力を韓国で発信してもらおうと初めて、SNSに力を入れる韓国の学生らを対象に実施した。

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