飲んで、使って、愛でて【特集】ハーブの恵みで爽やかな夏
夏の暑さにぐったりお疲れ気味の体と心。そんなあなたにリ
ラックスできる爽やかなひとときを送ります。飲んで、使って、愛めでて、日々の暮らしに癒やしのハーブを取り入れてみませんか。
フレッシュハーブティー
「おいしいハーブティーを入れるには、新鮮なハーブをたっぷり使うのがこつ」と青葉区上杉のハーブとアロマの専門店Remede
douce(ルメードドゥース)代表の平塚美華さん。使うハーブに決まりはないが「ぜひ入れてほしいのがレモンバーベナ。ハーブティーの女王と言われていて入れると入れないとでは、おいしさが全然違う」と話す。今回はレモンバーベナとペパーミント、美しい色が出るマロウを組み合わせた。ポットに8分目ほどハーブを入れ、熱湯を注ぎ2~3分。長く置き過ぎるとえぐみが出て風味が悪くなるので注意。お好みで砂糖を入れてどうぞ。
《Remede douce》
「庭やプランターでハーブを育てているけれど、どう使えばいいのか分からない」という方は多いのでは? ラベンダーやローズマリーなど家庭でも比較的ポピュラーで手に入りやすいハーブの生かし方を青葉区上杉のハーブとアロマの専門店Remede douceの平塚美華さんに教えてもらった。
涼誘う紫 夏バテ予防にコーディアル
コーディアルはハーブのエキスを抽出したシロップのこと。ハーブはドライでもフレッシュでも作れる。鍋に水と砂糖を入れ火にかけ、砂糖が溶けたらハーブを入れ、色が出るまで5〜10分ほど煮る。最後にレモン汁を入れると青色だった液体が紫色に変わる。ざるなどでこし、消毒した瓶に入れて冷蔵庫で保存を。「砂糖が160gの場合、冷蔵庫で1週間ほど持ちます。砂糖が多い方がより日持ちします」(平塚さん)
飲む際は冷水や炭酸水で8~10倍に薄めて楽しもう。ポリフェノール、ビタミン、ミネラルが溶け出したコーディアルは、夏バテ予防にもぴったり!
>>材料<<
・ドライハーブ…20g
(今回はオレンジピール6g、バタフライピー6g、ラベンダー4g、レモンバーベナ4g)
・水…200g
・砂糖…160~200g
・レモン汁…小さじ1
日焼けした肌を癒やすローズマリーの浸出油
ローズマリーは枝から葉を外して油とともにボウルまたは小鍋に入れる。一回り大きな鍋に湯を沸かし、ローズマリーと油の入った容器を湯煎する。「湯煎にするのは温度が上がり過ぎないようにするため。60~70℃を保つために温度計で測りながら作業してください」(平塚さん)。時々かき混ぜながら、1時間半ほどかけて成分を浸出させたら、キッチン用の目の細かいネットなどを使ってこす。
保存容器に入れたら、いつ作ったものか分かるよう日付ラベルを貼って。保存期間は冷暗所で1カ月。
>>材料<<
・フレッシュローズマリー…70~80g
・植物油…200ml(ホホバオイルまたはマカダミアナッツオイル)
>>活用法<<
ローズマリーオイルはそのままマッサージオイルとして使える他、手持ちの化粧水、乳液、整髪料などを使用する際、手のひらの上でオイルを2、3滴混ぜて使ってもよい。爽やかな香りとともに、お肌がしっとり潤うのを感じられる。
「ローズマリーは抗酸化物質が豊富で、紫外線を浴びた肌のケアにお薦め」と話す平塚さんのちょっと通な使い方は、ロールオン容器に入れて、乾燥しがちな部分へ気付いた時に塗る方法。「ローズマリーはさまざまな痛みを緩和するといわれているので、私は肩凝りの時などに直接塗って利用しています」
Remede douce代表 平塚 美華さん
Remede douce
ヨーロッパの薬草店をイメージした店内には、ハーブや精油が豊富にそろう。薬剤師の資格を持つ平塚さんが1人1人に合ったハーブの処方を考えてくれる。各種講座も開いている。
【DATA】
仙台市青葉区上杉2-2-20
TEL022-302-7120
営/11:00~18:00
休/日曜、祝日
《ガーデンガーデン仙台愛子本店》
ポピュラーなものから珍しい品種まで、さまざまなハーブ苗を取りそろえる青葉区上愛子のガーデンガーデン仙台愛子本店。同店ハーブ担当の水野千恵子さんらに暮らしの中で気軽にハーブを役立てる方法を聞いた。
緑愛で 蚊寄せ付けにくく
「最近、虫よけになるハーブを求めて来店する方が増えている」と水野さん。そこで紹介してくれたのがヨモギの仲間で耐寒性がある「蚊除け草」と、シトロネラとローズゼラニウムをかけ合わせて香りの成分を強めた「蚊嫌草」の2種。
葉をちぎったり、茎を切ったりすると、爽やかな香りが立ち上る。人には心地よいこの香りを蚊が嫌がるらしい。どちらも切り戻しをすると切り口から香りが良く出るそう。特に蚊嫌草は新芽がより強く香る。蚊よけを期待する方は切り戻しで積極的に新芽を出させよう。
水野さんは「ハーブは植物。完全に虫を防げるものではありませんが、緑や花を愛でつつ蚊を寄せにくくする感じで楽しんでいただけたら」と話した。
部屋に彩りと香り 手軽に
室内での気軽な取り入れ方を教えてくれたのは自身も自宅で数々のハーブを育てている別のスタッフ。フレッシュな摘みたてハーブのスワッグ(壁飾り)を紹介してくれた。目で楽しみ香りに癒されちょっぴり虫よけ効果も期待できる、一石三鳥の生かし方だ。すでに庭でハーブを育てている方なら数種をササッと摘んでまとめるだけなので、すぐにもまねできそう。
ラベンダーの紫やローズゼラニウムのピンクの色合いがかわいいポプリ(室内香)もスタッフのお手製。「ガラス器に入れると目にも涼やかです」と話す。ドライにする際は、日陰で風通しのよい場所で1週間~10日ほど乾かす。触ってカラカラになっていれば完成だ。精油を数滴追加して布袋に入れサシェ(香り袋)にするのもお勧め。
【DATA】
青葉区上愛子蛇台原62-5
TEL022-391-8718
営/夏季(3月21日〜12月31日)9:30~18:00
冬季(1月1日〜3月20日)9:30~17:00
休/なし
~番外編~
かれんなブルー
ガーデンガーデン仙台愛子本店に清涼感のあるブルーのかれんな花が咲いていた。サラダなどに使うチコリの花。花も食べることができる。
夏の風物詩の…
Remede douceにあった見覚えのある渦巻きは、ラベンダーで作った蚊取り線香。化学製品のような強力さはないが香りも楽しめる。
(河北ウイークリーせんだい 2024年7月18日号掲載)
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