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女川2号機 再稼働、11月に延期 仮設建物撤去で遅れ

再稼働に向けた工程の見直しを説明する大平所長代理(左)

 東北電力は18日、女川原発2号機(女川町、石巻市)の再稼働について、予定していた9月ごろから11月ごろに延期すると発表した。原発構内の仮設建物の撤去に時間を要しており、再稼働に向けた訓練が遅れているため。再稼働の具体的な時期を示してからの延期は3回目。原子炉に核燃料を入れる「燃料装荷」も今月中を目指していたが、9月ごろに変更する。

 東北電によると、再稼働前の「大規模損壊訓練」や「シーケンス訓練」に向けて原子力規制庁が6月上旬に行った検査で、構内道路沿いの仮設建物3棟について、地震で倒壊した場合の影響評価を行っていないと指摘された。

 構内道路は、原子炉の冷却機能喪失に備えた送水ポンプ車などの通行ルートとなる。東北電はプレハブの2棟を撤去。残る鉄骨造の資材倉庫の解体工程を精査したところ、工事が7月下旬までかかることが18日に分かったという。

 女川原発の大平一樹所長代理は18日、石巻市役所で記者会見し、延期について「重く受け止めている」と語った。仮設建物の地震影響評価を見落としたことには「結果的に配慮が足りなかった」と述べ、見通しの甘さを認めた。仮設建物の撤去時期は特に定めていなかったという。

 東北電は本年度、女川2号機の再稼働に伴い400億円程度の火力燃料費低減を見込んでいた。担当者によると再稼働が2カ月遅れることで、低減は260億円程度になるという。

 女川町の須田善明町長は「東北電には従来、規制庁の指摘の反映と、スケジュールありきでない検証や対策を求めてきた。今回の件はそれに応える姿勢であると受け止める」、石巻市の斎藤正美市長は「今後の各種試験や訓練、検査についても、しっかり対応するよう東北電に求めていく」とそれぞれコメントした。

 東北電は2013年12月、2号機の新規制基準への適合性審査を申請した。昨年9月、追加の安全対策工事のため再稼働時期を今年2月から5月に変更。同1月、工事の遅れを理由に数カ月程度の再延期を決め、2月に「9月ごろを想定」と時期を明らかにした。5月には安全対策工事の完了を発表した。

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