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女川原発差し止め控訴審、結審 判決は11月27日 仙台高裁

 東北電力女川原発2号機(女川町、石巻市)の重大事故を想定した広域避難計画に実効性がないとして、石巻市の住民が東北電に再稼働差し止めを求めた訴訟の控訴審第4回口頭弁論が17日、仙台高裁であり、結審した。判決は11月27日。

 原告側は意見陳述で、東京電力福島第1原発事故の教訓を基に、原発の安全対策は全5層の「深層防護」の考え方に基づいているとし「深層防護が徹底されていない原発には具体的危険があると解釈すべきだ」と訴えた。

 東北電側は、原告側が重大事故の具体的危険性を立証していないと主張し、控訴棄却を求めている。

 昨年5月の一審判決は「原告側が具体的危険性を立証していない」として請求を棄却し、避難計画の実効性には言及しなかった。一方で、昨年10月の控訴審第1回口頭弁論後、高裁は実効性の有無について審理する考えを示していた。

 原告側弁護団長の小野寺信一弁護士(仙台弁護士会)は会見し、今回から裁判長が交代したことを挙げ「新たな裁判体がどういう判断枠組みで判決を出すか。実効性の中身に入るなら自信はある」と述べた。

 原告団長の原伸雄さん(82)は「できれば再稼働前に判決を得たかったが、裁判官の良識ある判断を待ちたい」と語った。

 東北電は9月の2号機再稼働を目指している。

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