芝居の世界に四半世紀 演劇ユニット石川組代表・宿利左紀子さん(石巻出身)、語る
仙台を拠点にする演劇ユニット石川組が6月15日、石巻市に初めて登場、野外公演で市民を芝居の世界に引き込んだ。代表が石巻市出身の宿利左紀子さん(46)=仙台市=。演劇や古里・石巻への思いを語ってもらった。
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<野外公演はシアターキネマティカ中庭だった>
そこの環境を生かし芝居するのが野外公演の醍醐味(だいごみ)。ホールは手作り感がいっぱいで、ここで芝居ができる石巻の演劇人をうらやましく思った。
母によると私は湊で生まれた。でも2、3歳までで、あとは仙台に住んだので石巻の記憶はほとんどない。野外公演をきっかけに石巻との関わりを深めたい。
<演劇ユニットの名前が石川組>
亡くなった石川裕人(1953~2012年、劇作家・演出家)が遺(のこ)した美しい作品をみんなに見てほしい、仙台の演劇界をけん引してきた石川を多くの人に知ってほしいという思いから2018年秋、石川の妻で俳優の絵永けいさんたちと4人で結成した。
石巻で上演した作品も、石川が敬愛する宮沢賢治の作品をモチーフにした「修羅ニモマケズ」だった。
<石川作品と出合ったのは高校の時>
宮城一女高(現宮城一高)の演劇部時代で17歳だった。仙台市内での公演を見に行って、愛を込めて創る石川作品にすっかり魅せられた。
<大学進学で、いったん仙台を離れる>
札幌市の北海道教育大に入った。卒業後、宮城県内の小学校の講師になった。同時に石川が旗揚げした劇団OCT/PASS(オクトパス)に入団した。だんだん両立が難しくなった。悩んでいた時、石川が劇団を辞めない方がいいと。
<学校の仕事を辞めて演劇の道を選んだ>
結局、石川が亡くなった後も石川が書いた芝居を上演し続けている。産休や育児で活動を休んだ時期もあったが、オクトパス時代からだと四半世紀近くになる。今思うことは人を、俳優を舞台の上で輝かせる力を石川が持っていた。現実では生き方が下手な人でも、舞台に上がると格好良く見えた。私も石川マジックにかかった一人だ。
<コロナ禍で自粛ムードが強まった>
こんな時だからこそ芝居をやろう、お客さんに元気になってもらおうと考えた。
<演劇を選んだ人生に悔いはない>
演劇は楽しく生きるための一つの方向。そういう機会をシニアや若い人のためにつくっていきたい。
石巻では年1回、公演したい。いしのまき演劇祭にも参加したい。(東日本大震災後の)芝居の面白い街づくりに一役買いたい。
■演劇ユニット石川組第6回公演「宇宙大作戦~グスコーブドリ・ミッション~」
10月25日~11月4日、せんだい演劇工房10-BOX(仙台市若林区)石川裕人作、2009年初演。
■くみとさっこのクラウンショー
宿利さんは片倉久美子さん(石川組)とクラウン(道化師)ユニットを結成、コントによるライブ活動を行っている。連絡先は090(7327)2687。
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