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賢治の世界、野外で伸び伸び 仙台の演劇ユニット石川組が上演 石巻

シアターキネマティカ隣の敷地を舞台空間にして観客を賢治の世界に誘った演劇ユニット石川組

 童話作家・宮沢賢治をモデルにした劇「修羅ニモマケズ」野外公演が15日、石巻市中央1丁目のシアターキネマティカ隣の敷地で行われた。大人も子どもも開放感にあふれた野外劇場で伸び伸びと観賞。夏空の下、歌あり笑いありの賢治ワールドを満喫した。

 「劇都・仙台」をけん引し、賢治を敬愛した劇作家・演出家の石川裕人(1953~2012年)作の再演(長谷野勇希演出)。約1時間の野外公演を企画したのは仙台市を拠点にする演劇ユニット石川組で、石巻市では初上演だった。

 賢治と思われる「けんちゃん」と同行者の「猫」に加えて、「山猫」や「又三郎」ら賢治の童話でおなじみのキャラクターたちが登場。奇想天外な賢治の世界が野外空間に広がった。

 けんちゃんと猫が客席の前でやりとりしている後方で、ほかの俳優たちは次の役のためのメークをしたり衣装替えをしたりと、舞台裏が全部見える仕組みになっていて、野外ならではの芝居づくりで観客を楽しませた。

 入場無料に代わる投げ銭タイムもあった。観客は入場の際に渡された折り紙に現金を包んで「おひねり」として投げ込み、敷地を舞台空間に変えた俳優たちの熱演をたたえた。

 同市渡波の女性(70)は「野外で自由に見られる芝居もあるのかと驚いた。インパクトがあった。貴重な体験になった」と感激した。

 石川組代表で又三郎を演じた宿利左紀子さんは同市出身。「古里の人たちは温かかった。野外は開放感もあり、笑って楽しんでくれた。これを機に石巻の活性化に芝居で関わっていきたい」と意欲を新たにした。

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