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子ども・子育て世代に支援を 地域全体で見守り、連携深める 石巻地方

石巻市と関係団体「居場所づくり懇談会」

ワークショップで交流を深める参加者

 石巻市の教育・福祉部局や市内の子育て支援団体が一堂に会する「市子どもの居場所づくり懇談会」が19日、同市穀町の市ささえあいセンターで開かれた。参加団体の事例紹介や意見交換のワークショップを通じ、子どもや子育て世代を地域全体で見守り、支援しようと連携を深めた。

 関係団体や市から約70人が出席した。事例紹介では、女性支援事業などを展開するNPO法人やっぺすの高橋洋祐共同代表理事ら2団体の代表者が発表した。

 高橋共同代表理事は出産を控えていた10代女性から相談を受け、行政と連携して居住・育児環境を提供し、自立につなげたケースを紹介した。特別支援学校を卒業後、公的なサポートが途切れてしまった知的障害のある若者に対処したケースも説明。「家族が万能なわけではないが、家族のように伴走する支援者は必要だ」と語った。

 ワークショップは官民混合のグループを作り、子どもの抱える悩みや、関係機関の連携で実現させたい取り組みについて意見を交わした。

 参加者からは「近隣住民の声で、公園の利用に制限をかけざるを得なくなった」「学校を出て働きたい思いはあるが、働き先がない子どももいる」といった課題や、「住民バスを子どもも使えるようになれば居場所につながりやすい」といった意見が挙がった。

 懇談会は、市が2022年度から毎年開いている。橋本泰仁保健福祉部長は「一つの団体だけで子どもを抱えるのは難しく、できないことがあったら他の団体につなげてもらうことが大事だ。交流を深め、ネットワークを早急に作らなければいけない」と話した。

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みづほ幼稚園、石巻専修大と合同夏祭り

アトラクションのブースで、的を目がけてロケット形の風船を投げる園児

 石巻市蛇田の私立石巻みづほ幼稚園(園児128人)は19日、石巻専修大と合同の夏祭りを開いた。年長児46人が同大を訪れ、学生が手作りした出店を笑顔で楽しんだ。

 園児と学生の交流を図ろうと同園が初めて企画した。同大人間学部人間教育学科で幼稚園教諭などを目指す3、4年生の学生約10人が、輪投げや紙相撲、うちわ作りといったお手製の出店ブースを設けた。

 子どもたちは夢中になって出店を巡り、かわいらしい歓声を会場一杯に響かせた。高橋一颯(いぶき)ちゃん(5)は「輪投げが楽しかった。お店をいっぱい準備してくれてうれしかった」と喜んだ。

 楽しみながら体力を育んでもらおうと、出店には物を投げたりジャンプしたりする動作を取り入れた。学生による紙芝居の読み聞かせもあった。

 4年の後藤紫茉(しま)さん(21)は「子どもの遊び方は自由で、臨機応変に対応しなけばいけないと分かり、勉強になった」と話した。

 企画は同園の夏祭り行事の一部として開かれた。

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