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都市対抗野球 日本製紙石巻を応援 スタンドは青一色、選手と一体

日本製紙石巻の反撃を信じ、最後まで声援を送り続ける観客

 都市対抗野球大会の2回戦に、2013年大会ぶりに進出した日本製紙石巻(石巻市)。25日に東京ドームで、NTT西日本(大阪市)に挑み、0-9で敗れた。応援に駆け付けた約6000人の観客たちは、スタンドから声援を送り、選手の勇姿を目に焼き付けていた。

 スタンドには日本製紙石巻工場の従業員や地元経済界で組織する後援会メンバーのほか、日本製紙本社や関連企業からも詰めかけ応援席は膨れ上がった。そろいの青いタオルやうちわを手に、選手に声援を送った。

 観客たちは選手と一体となりながら観戦。チームの好機には、声がかれんばかりのパワーで打者の名前を叫んだ。2点差を追う七回の攻撃時には、野球部応援団らが演奏する第2応援歌「勝利の紙吹雪」に合わせ、タオルを掲げてスタンドを青一色に染め上げ、選手たちを鼓舞した。

 4年前の大会も応援に駆け付けた同工場従業員の古瀬信栄さん(57)=石巻市南光町1丁目=は「結果は残念だが、選手の姿に自分たちも頑張ろうと力をもらった。点差はついたが実力差はなく、若いチームで伸びしろもある。力を一つずつ積み上げていってほしい」と期待を寄せた。

 裏方としてチームを盛り上げようと、元選手ら数人も奮闘。来場者を客席に案内する誘導係の役を担った。2015~19年、左腕の塚本峻大投手(32)と左右の二枚看板として活躍した宝利亮さん(32)は「1回戦の勝利後、社員の方々が『いい試合だった。また応援に来るね』と言ってくれた。改めて選手は多くの社員に支えられていると実感した」と感慨深げだった。

萌江さん、ベンチから「頑張れ~」

 都市対抗野球大会では各チームを支える「ダイヤモンドサポーター」がいる。選出方法は各企業に委ねられる。日本製紙石巻は、石巻市出身のシンガー・ソングライターで「ほやドル」の萌江さんを抜てきした。

 初戦の23日、ベンチには大きな声で応援する萌江さんの姿があった。得点した場面では、選手と一緒にガッツポーズ。

 選手たちには萌江さんの「ほやっほーポーズ」が浸透し、出塁すると両手の拳で頭上に団子を作るポーズで笑顔を見せていた。

 萌江さんは厳しい戦いとなった2回戦も、真剣なまなざしで選手にエールを送った。萌江さんは「何を叫んだか分からないほど全力で『頑張れ』と応援した」と話す。

 試合を終えてベンチから出てきた萌江さんは、選手と同じくらい悔しい表情。それでも「最後まで諦めない姿に感動した。一緒にベンチに入り、一つになってチームをもり立てている選手たちに力をもらった」と大会を振り返った。

日本製紙石巻のベンチで応援する萌江さん

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