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都市対抗野球 日本製紙石巻、初戦を突破 2013年大会以来の2回戦へ

〔日本製紙石巻-KMGホールディングス〕 勝利が決まった瞬間、笑顔でマウンドに駆け出す日本製紙石巻の選手たち
九回に勝ち越しの左犠飛を放つ日本製紙石巻の佐藤晃

 第95回都市対抗野球大会(公益財団法人日本野球連盟など主催)は23日、東京ドームで1回戦3試合を行った。4年ぶり6回目の出場となった東北地区第2代表の日本製紙石巻(石巻市)は、九州地区第1代表のKMGホールディングス(福岡市)に5-4で勝ち、2013年大会以来の初戦突破を果たした。

 次戦は25日午後6時から、近畿地区第5代表のNTT西日本(大阪市)と対戦する。

   ◇

▽1回戦(東京ドーム)

日本製紙石巻(石巻市) 
 002100002-5 
 100000300-4 
KMGホールディングス(福岡市) 

(日)生長、川合、佐藤亜(TDK)相内、星野、秋田-坂口、石井(七十七銀行)(K)木下、鷲﨑、村田-大久保
▽三塁打=水野(日)三野原、仁木(K)▽二塁打=佐藤晃(日)宮木、三野原(K)

【評】日本製紙石巻が土壇場で逆転勝ちした。3-4の九回、代打小野が中前打、途中出場の宮川が左前打で好機を演出。暴投も絡み、無死二、三塁で石井が左前適時打を放ち同点に。さらに一、三塁から佐藤晃の左犠飛で試合をひっくり返した。先発した左腕生長は5回無失点の好投。七回に救援陣が崩れリードを許したが、八回から登板した主戦秋田が走者を背負うも持ち味の速球を武器に試合を締めた。

<持っている男、殊勲>

 東北大会で2本塁打を放った「持っている男」が、本大会の初戦敗退が続いていたチームに大きな1勝をもたらした。1点リードされて迎えた九回に、勝ち越しの犠飛を放った佐藤晃。ベテラン、若手、補強選手の連打で同点とした後の場面で、殊勲の一打を放った。「前に飛ばせばいい。難しく考えずシンプルにバットを振った」

 三回の第1打席で相手の主戦木下のカットボールを引っ張り左越えの二塁打に。四回は速球を左前打、七回は死球と続けて出塁した。九回の好機は「監督から『センターフライを打て』と言われた。絶対この場面をものにする」と燃えた。甘いスライダーをしっかり外野まで飛ばした。

 犠飛を打った投手は西部ガスからの補強選手の村田。4年前の本大会でチームが苦汁をなめた相手だった。「自分は入社前なので嫌なイメージは少なく、普段に近い感覚で打席に入れた。この勝利で勢いに乗り、次も勝つ」と意気込んだ。

逆転勝ち、歓喜に沸く

日本製紙石巻が得点を挙げ、選手に拍手を送る観客たち

 23日に東京ドームで行われた都市対抗野球大会で、日本製紙石巻(石巻市)が初戦を突破した。スタンドには1000人以上の応援団が詰めかけ、白熱した試合展開に一喜一憂しながら声援を送った。勝利の瞬間は大きな歓声が響いた。

 日本製紙石巻工場の従業員や地元経済界で組織する後援会のメンバーらがスタンドに集結。うちわや選手名が書かれたボードを手にチームを鼓舞した。

 創部当時から応援し続ける同工場従業員の菱沼恵さん(58)=石巻市門脇=は「小林俊輔選手や佐藤晃一選手は同じ部署で、入社当時から活躍を見てきた息子のような存在。一戦一戦戦い抜き、ヒットを打ってほしい」と期待した。

 野球部応援団約20人は早大応援部とタッグを組み、応援を仕切った。昨年から使用する第2応援歌「勝利の紙吹雪」も東京ドームで初披露した。

 前回出場した2020年大会は、新型コロナウイルスの感染対策で拍手だけの応援だった。4年分の声援をスタンドから響かせた露木雄太団長(29)は「生演奏は都市対抗ならでは。応援団が主体となってチームにエールを送りたい」と熱を込めた。

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