閉じる

石巻川開き祭り、熱く きょう開幕 101回目、新たなスタート

青木会長

 石巻地方最大の夏祭り「石巻川開き祭り」が2~4日の3日間、石巻市中心部で開かれる。水難者を供養し、北上川改修に尽くした先人をたたえる祭礼は101回目を迎え、新たなスタートを切る。

 開北橋下流で実施する目玉の花火大会は「東北屈指」とうたう規模を今年も維持する。全国の名人花火師が競技大会に出すような尺玉や、音楽に合わせた演出で魅せる「ミュージックスターマイン」など約1万6000発を打ち上げ、港町の心意気で夜空を彩る。

 新型コロナウイルス対策で昨年は午前、午後の2部制で実施した小学生鼓笛隊パレードはコロナ禍前の形に戻し、15校が一気に通りを練り歩く。コロナで中断していた「まとい万灯お会式行進」も復活する。

 水上のメイン行事「孫兵衛船競漕(きょうそう)」は、昨年から参加団体数がコロナ禍前の水準に戻り、今年も熱い闘いを繰り広げる。フィナーレを飾る大漁踊りは参加団体がさらに増え、新たに東松島市の団体も加わり裾野が広がった。

 祭り期間中は今年も猛暑が予想される。暑さ対策として陸上パレードのコースに冷却ミストを設置するほか、救護所を増設して熱中症を訴える人らに対応する。

 市民が躍動し、活気がみなぎる「市民総参加」の祭りが間もなく開幕する。

歴史と伝統誇り受け継ぐ 石巻川開祭実行委員会・青木八州会長

 石巻川開き祭り開催に当たり、ごあいさつを申し上げます。本年度の祭りは2~4日に開催されます。2日には、供養行事が行われ、川村孫兵衛翁に対する報恩感謝、物故者の冥福を祈り行われる流灯、供養花火が打ち上げられます。

 3日には、北上川を会場に熱戦が繰り広げられる大優勝旗争奪孫兵衛船競漕やミニ孫兵衛船競漕、陸上行事ではみこしなど各種パレードが練り歩き、東北最大規模の豪華絢爛(けんらん)な花火大会を開北橋下流で行います。

 最終日の4日は、小学生鼓笛隊パレードが祭りを盛り上げる他、各種パレードの実施、フィナーレは大漁踊りで締めくくります。

 石巻川開き祭りは、歴史と伝統を誇る祭りとして、人々の手により連綿と受け継がれ、今日まで育まれてきました。今年も心に残る祭りを演出して参りますので、心ゆくまでご観覧いただきますようお願い申し上げます。

 結びとなりますが、石巻川開き祭りが、石巻の夏祭り、ふるさとの市民祭りとして、世代を超えて、今後もますます愛され続けることを心より願い、「第101回石巻川開き祭り」の成功に向けて、皆さまのご支援とご協力を重ねてお願い申し上げます。

水分、塩分補給こまめに 実行委員会

 石巻川開き祭りは夏の最も暑い時期に開催されるため、猛暑による熱中症への警戒が必要だ。実行委員会は小学生鼓笛隊パレードをはじめとした陸上行事の暑さ対策として、冷たい霧を噴出する「冷却ミスト」をパレードコースに4基設置。救護所を1カ所増やし、大縄引き大会の会場にも設ける。参加者、観覧者に対しては「こまめに水分、塩分を補給する」といった対策を呼びかける。

 鼓笛隊パレードには旧石巻市内の小学校15校から計約1270人が参加する。子どもは熱中症のリスクが高いことから、体感温度を下げる冷却ミストの設置を決めた。陸上行事が開幕する3日から、パレード発着点とアイトピア通り、立町大通りの計4カ所に設置する。参加者の待機場所となる石巻小体育館には大型扇風機も2台配置する。

 救護所は石巻商工会議所(2~4日)、石巻小、住吉公園(3、4日)、花火会場(3日、無料観覧エリアの石巻消防署側)に加え、炎天下で行われる大縄引き大会の本部テント(3日、立町ヤマトパーキング)にも設ける。それぞれ看護師が待機する。

 花火会場の救護所は医師や薬剤師、看護師ら十数人が待機し、熱中症の症状を訴える人らに対応する。症状の重い人は救急搬送する。テントの中にイベント用冷風機を4台設置の予定。

 実行委は「高温が予想されるので、こまめに水分補給し、日の当たる場所に長時間とどまらずに日陰に入るなど、熱中症に十分注意してほしい」と話す。

祭典・陸上・水上行事、3日間開催

 101回目となる今年の祭りは、100回目の記念大会だった昨年に引き続き3日間の日程で開催する。

 祭典行事は2日午後、川村孫兵衛翁墓前供養祭などを開催し、震災犠牲者らの名前を記した灯籠を北上川に流す。3日午前には川開き祭典などを執り行う。煙火行事は初日の2日夜に供養花火を中瀬公園で打ち上げる。メインの花火大会は3日夜、開北橋下流で実施する。

 陸上行事は3、4日に中心市街地で実施する。3日の縄張神社奉納大縄引き大会は一般の部に16チーム、小学生の部に6チームがエントリーした。3日は航空自衛隊中部航空音楽隊がマーチングバンド形式でパレードに初めて参加する。

 4日の小学生鼓笛隊パレードは旧市内の15校が石巻小付近から立町大通りまでを行進する。熱中症事故防止のため、当日の天候状況(高温など)で中止になる場合もある。新型コロナウイルスの影響で中断していた「まとい万灯お会式行進」が5年ぶりに復活する。祭りのフィナーレを飾る大漁踊りには昨年より3団体多い18団体が参加する。

 水上行事の「孫兵衛船競漕(きょうそう)」は北上川の住吉公園前に設ける約550メートルのコースを舞台にする。孫兵衛船は34チーム、女性だけで構成するミニ孫兵衛船には10チームがエントリーした。3日に予選と敗者復活戦、4日に準々決勝から決勝までを行う。

■2日(金)
【祭典】 
午後3時    重吉神社祭(重吉神社) 
  3時20分 川村孫兵衛翁墓前供養祭(孫兵衛翁墓前) 
  4時20分 川村孫兵衛翁報恩祭(日和山公園) 
  5時10分 縄張神社祭(縄張神社) 
  6時    川村孫兵衛翁報恩供養祭、川施餓鬼供養祭、東日本大震災慰霊祭(住吉公園) 
  6時30分 流灯(北上川・内海橋上流) 
【煙火】 
  7時30分 供養花火(中瀬公園) 

■3日(土)
【祭典】 
午前8時    川開き祭典(住吉公園) 
  8時45分 漁港祭・大漁安全祈願祭(石巻魚市場) 
【水上】 
午前9時    孫兵衛船競漕、ミニ孫兵衛船競漕予選レース(北上川・住吉公園前) 
【陸上】(全て中心市街地) 
午前10時~午後8時 お祭り広場 
午前10時10分   JCお囃子(はやし)隊 
  11時      縄張神社奉納大縄引き大会 
午後2時       一皇子宮神輿 
  3時30分    アクアカーニバル 
  5時       航空自衛隊中部航空音楽隊 
【特別】 
午後5時40分 ブルーインパルス展示飛行(北上川・開北橋下流上空など) 
【煙火】 
午後7時30分 花火大会(北上川・開北橋下流) 

■4日(日) 
【水上】 
午前9時   孫兵衛船競漕、ミニ孫兵衛船競漕決勝レース(北上川・住吉公園前) 
【陸上】(全て中心市街地) 
午前10時~午後8時 お祭り広場 
午前10時30分   小学生鼓笛隊パレード 
午後1時30分    石巻中吹奏楽部 
  1時40分    消防音楽隊パレードwithGARNETS 
           石巻赤十字看護専門学校カラーガード部 
  2時       林家たい平師匠石巻応援団 
  2時20分    エイサー石巻 
  2時40分    縄張神社みこし 
  3時       まとい万灯お会式行進 
  4時       ものうはねこ踊り 
  6時       大漁踊り

<豪華花火1万6000発>

 花火大会は100回記念だった昨年と同様、石巻市の北上川開北橋下流で開催し、約1万6000発を打ち上げる。一個一個の花火のボリュームを上げ、見どころをつくるのが特長。グレードアップした花火が夜空を彩り、統一テーマの「希望」を表現する。

 見どころの一つは、全国の名人花火師が競技大会に出すような尺玉の競演。秋田県大仙市大曲や新潟県長岡市などの花火大会にひけを取らない豪華花火が観覧者を魅了する。

 楽曲に合わせて打ち上げる花火も今年の目玉。「ミュージックスターマイン」「イリュージョンスターマイン」「大玉100連発」など多彩で、曲調に応じた演出で楽しませる。石巻が発祥とされる水中スターマインも夜空を染める。

 締めの「エンディングスターマイン」には平原綾香の「ジュピター」を使用。東日本大震災後の花火大会で長岡市から「復興祈願花火」が提供され、この曲に合わせて打ち上げられた。以来、感謝の気持ちを忘れないようにと終幕の固定曲になっている。

 会場の河川敷には昨年より1400席多い2600席の有料観覧席を設けた。無料観覧席は堤防の内陸側で、入場ゲートを開北小裏側と石巻消防署隣の2カ所に設ける。有料席の入場開始は午後3時、無料席は午前10時。セイホクパーク石巻(市総合運動公園)向かいに有料駐車場(1500台)を用意する。

 石巻川開き祭りの実行委員会は「道路の混雑が予想されるのでJRを利用してほしい」と呼びかける。

<花火大会無料観覧席に飲食ブース>

 石巻川開き祭りの実行委員会は、花火大会の無料観覧席(石巻市大橋地区)の中央部に、実証実験として「飲食ブース」を設ける。観覧者に地域ならではのグルメを楽しみながら花火を観賞してもらおうと企画した。

 石巻市内の10事業者が出店。テントやキッチンカー、プレハブ小屋でクレープやかき氷、から揚げ、牛タン串、焼き鳥、アイスクリーム、海鮮焼きそばなどを販売する。

 営業は無料観覧席の入場開始時刻の午前10時から順次、準備が整い次第始め、午後9時まで。

 実行委は「多彩な飲食物が並ぶので、おいしい物を食べながら豪華花火を楽しんでほしい」と話す。

【出店者一覧】 
 B.Bクレープ 
 tronc(トロン) 
 ケセラセラ 
 門間商店 
 魚民石巻駅前店 
 ワコー建設 野村庵 
 風月堂 
 ヤマサコウショウ 
 まるふ商店 
 とき丸漁業生産組合 

川開き祭りの写真作品募集、19日まで

 石巻川開祭実行委員会広報部は、2~4日に開かれる第101回石巻川開き祭りをテーマにした写真コンクールの作品を募集する。締め切りは19日。

 対象は今年の祭りをテーマにした写真で、未発表に限る。カラーか白黒で、サイズは六つ切りかA4。トリミングを除き、合成やデジタルカメラ写真の加工は不可。入賞作品はポジ、ネガフィルム、デジタルカメラの元データを提出する。

 募集は一般(高校生以上)の部が花火大会、陸上、水上行事の各部門で1人1部門3点まで。子どもの部(小・中学生)は部門を問わず1人5点まで。

 表彰は一般の部が各部門で最優秀賞(賞金1万円、賞状、盾)が1人、優秀賞(同5000円、賞状)が2人、入選(同2000円、賞状)は5人。子どもの部は最優秀賞(図書カード5000円分、賞状、盾)が1人、優秀賞(同3000円分、賞状)が2人、入選(同1000円分、賞状)が5人。

 審査委員長は石巻市出身の写真家橋本照嵩さん=さいたま市=。審査会は23日、表彰式は9月7日にそれぞれ石巻市役所で行う。入賞作品は9月7~27日、市役所に展示する。連絡先は市秘書広報課0225(95)1111。

石巻川開き祭り | 石巻川開祭実行委員会

関連リンク

石巻かほく メディア猫の目

「石巻かほく」は三陸河北新報社が石巻地方で発行する日刊紙です。古くから私たちの暮らしに寄り添ってきた猫のように愛らしく、高すぎず低すぎない目線を大切にします。

三陸河北新報社の会社概要や広告などについては、こちらのサイトをご覧ください ≫

ライブカメラ