石巻川開き祭り 市民主役の主要行事・大漁踊り、孫兵衛船競漕 「新顔」3チーム
孫兵衛船競漕
■治水名人あやかる 「青と真夏の石巻港湾」
川開き祭りといえば真夏、船をこぐのは青春-。県石巻港湾事務所のチーム名にはそんな思いが込められている。代表兼マネジャーの今野良子さん(46)は「川村孫兵衛は治水の名人。川の水が流れ着く石巻港を所管する組織として、どうしても出たかった」と初出場を決めた思いを語る。
年代は20~60代と幅広いが、体力自慢がそろう。メンバー集めを買って出た副代表の渡部陽将(ようすけ)さん(39)は「職員は3年ほどで異動になるので、このメンバーで出場できるのは一度きり。まずは1勝を目指して頑張りたい」と力を込める。
主力の1人で、学生時代にアメフトで鍛えたという早坂樹(たつき)さん(26)は「初出場だが、気持ちだけは負けない」と活躍を誓う。
■経験者と若手が挑む 「yamadai」
住宅資材やプレカット加工の山大(石巻市潮見町)の社員によるチーム。17年ほど前までは出場歴があるが、2023年に変わった社名のロゴマークをチーム名に採用しての参戦は初めて。
参加を通して祭りを盛り上げようと、住宅資材事業部や建設事業部、管理部など各部署の有志が集った。経験者は7人。入社1、2年目の若手も加わり、10~50代と幅広い年代で戦う。
主将を務める茂木貴司さん(52)は「今年は経験者が中心だが、若手の参加を増やし以前のように上位に食い込んでいきたい」と話す。入社2年目の斎藤晴斗さん(20)は「地域の活性化につながるお祭りに参加できる。本番も楽しめるようにしたい」と意気込む。
大漁踊り
■楽しむ姿を見せたい 「劇団100通りのありがとう」
東松島市を拠点に3月に設立したばかりの「劇団100通りのありがとう」が初参加する。ステージ衣装の真っ赤なTシャツを身にまとい、熱い踊りで祭りを沸かす。
劇団は東日本大震災の伝承と、世界中から寄せられた支援に感謝を伝えることを使命にする。石巻市と東松島市在住者が半々で、大漁踊りを初めて踊る団員も多いという。
「地域を盛り上げるためならなんでもやる」とのモットーで、団員の半数の約20人が踊りの列に加わる。数回の練習会を経て、やる気は十分に高まっている。
団長の菅原節郎さん(74)は「団員はみんな被災者。楽しめることは楽しむ姿を見せて、祭りの盛り上げに一役を買いたい」と語る。
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