石巻・桃生中で「新聞タイム」定着 記事読み、考えをノートに 意見交換も
石巻市桃生中(生徒150人)で、朝の15分を使って新聞記事を読む「桃生タイム」が定着している。読むだけでなく、自分の考えをノートに書いて友人と意見交換する。生徒からは「文章を書くのに抵抗感がなくなった」「友だちの意見が参考になる」といった反応が寄せられ、教員は取り組みに手応えを感じている。
桃生タイムは、毎週3日間の日程で行う。初日は先生がタブレット端末に配信した記事を各自読み級友と感想を話す。2日目はノートに自分の意見を書く。3日目は友人のノートを読みコメントを書く、という流れだ。
7月上旬、3年生の教室を訪れると、生徒は「子どものお使いが日常から消えつつある」という記事を読み、2人一組でお使いのメリットとデメリットについて意見交換していた。「社会性が身に付く」「自立心が高まる」と前向きな意見が出る一方で「交通事故が怖い」「迷子になったらどうする」など不安を指摘する声もあった。
生徒は、子どものお使いについて賛成か反対か、自分の意見と理由を200~300字程度でノートにまとめた。「自分の住む街を知るいい機会になるので、賛成」「反対。成長より命の方が大切だと思う」「安全を考え、見守る人がいるなら賛成」「命は一つしかないが、成長のチャンスはいくらでもある。小学高学年でも遅くない」「正直迷う」。多種多様な意見が記されていた。
友人へのコメントは、赤ペンで書く。「命を落としたら成長の意味がないもんね」「危険だけど、子どもが行きたいと言えば行かせてもいいかも」など、素直な感想が寄せられた。
桃生タイムについて、関隼汰さん(14)は「意見を書くのが苦手だったけれど、だんだん慣れてきた。コメントをもらうのもうれしい」と話す。
酒井芹歌(せりか)さん(15)は「記事を読んで、知識が身に付いてると感じる。友だちの意見は新たな発見があって面白い」と語った。
同中は、新聞を教育に活用するNIE実践指定校2年目で、桃生タイムは昨年度から始めた。
担当の志賀優香教諭は「記事を教材に取り組んだテーマについて、生徒の理解が深まっている。生徒は確実に視野が広がっているし、文章を書くスピードも速くなった」と効果を話した。
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