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石巻地方の工場探訪(1) 造船 聖人堀鉄工所(石巻市南浜町1丁目)

 1次産業から宇宙まで、石巻地方には地域や全国のさまざまな産業を支える工場が多数立地する。職人技や最新設備が詰まった工場内部を巡ってみよう。=随時掲載=

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アルミ船の製造が進む聖人堀鉄工所の工場。クレーンや溶接機が備えられている

<軽量、頑丈 アルミ船製造>

 高い天井と広々とした空間を持つ聖人堀(しょうにんぼり)鉄工所の工場面積は約1700平方メートル。船造りの材料となる分厚いアルミ板が並び、壁からアームが伸びた溶接機などを使って職人たちが作業を進める。製造途中の船体は銀色に光り、曲線の多い船ならではの形状が出来上がっていた。

 巻き網漁業船のアルミ製搭載船で国内シェア9割を誇る。巻き網漁は魚の群れを網で円を描くように囲み、底部分を閉じて魚を網の中に追い込む。搭載戦は母船が網を巻く際に支点の役割などを担う。

 終戦直後に創業し約80年。アルミ船の製造、修理を通してカツオ漁やマグロ漁などを支えてきた。製造する船は4~15トンほど。アルミの船は重さが鉄の半分ほどと軽量で、腐食しにくいのが特徴という。使用後は溶かして再利用もできる。

 「アルミ溶接のプロフェッショナル集団を目指し、アルミで作れる物は全て作りたい」と柿沼孝使社長(63)。災害で陸路が寸断された場合に役立つ船など、地域貢献につながる取り組みも構想に描く。

 「100年に向け、若い人が夢や働きがいのある会社にしていきたい」と後継育成にも力を注ぐ。
(及川智子)

石巻文化センター跡地に建つ工場と事務所。搭載船が年間5~6隻造られる

■メモ 
 1945年創業。北上川河口近くにあった聖人堀が社名の由来。船の修理や造船を手がけ、80年にアルミ船製造を開始。東日本大震災で被災し、石巻市の玉木造船化工と合併して工場などを移転再建した。従業員14人。同市南浜町1丁目7の70。

聖人堀鉄工所

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