石巻・震災津波伝承館 解説員に東北高3年佐藤さん認定 学生、生徒は4人目
東北高3年の佐藤晴紀さん(17)=仙台市=が10日、石巻市のみやぎ東日本大震災津波伝承館のボランティア解説員に認定された。同施設の学生・生徒の解説員は4人目。
佐藤さんは震災当時4歳。利府町にある自宅で地震に遭い、祖母と一緒に家の外に避難したが「怖くてすぐには体が動かなかった」と振り返る。自宅は家具が倒れるなどして危険だったため、長く車中泊を余儀なくされた。
防災への関心が深まったのは高校1年の時。校外研修で東京電力福島第1原発が立地する福島県双葉町、浪江町を訪問し、原発事故被災者の話を聞いた。今年2月、石巻市の震災遺構「門脇小」に来館した際、伝承館のボランティア解説員の募集を知って応募。計5回の研修を受け、自宅でも解説の練習を重ねた。
認定証書を受け取った佐藤さんは、館内を回りながら来館者約5人に震災被害や過去の地震、津波の特性などについて説明。「津波注意報や警報が出たらすぐに逃げることが大切」と強調した。
取材には「災害はいつ来るか分からないので、日頃から大切な人と話すようにしてほしい。解説を通して、災害について考えるきっかけにしてもらいたい」と今後の意気込みを語った。
県と東北大災害科学国際研究所は2022年度から、次世代の震災伝承の担い手育成を目的に、小中高生や大学生、専門学生のボランティア解説員を募集している。
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