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全国高校軟式野球 石巻出身の仙台商・佐々木主将「守備力生かし戦う」 初戦26日

仙台商軟式野球部の佐々木主将

 仙台商高(仙台市泉区)の軟式野球部が7月、全国高校選手権東東北大会を制し、5年ぶり18度目の全国大会への切符を手にした。3年の佐々木大輔主将(17)は石巻市雄勝町出身。佐々木主将は25日開催の全国大会に向けて、「チームの持ち味である守備力を生かし、目の前の一試合一試合に向き合っていく」と意気込んでいる。

 佐々木主将は4歳の時、同市雄勝町で東日本大震災の被害に遭った。当時雄勝病院で管理栄養士をしていた母弘江さん=当時(42)=が今もまだ見つかっておらず、自宅は全壊した。

 「雄勝町に住んでいた当時や、母のことはほとんど覚えていない。高校の部活動が忙しくなり難しくなったが、毎年のように3月11日には家族で雄勝町に足を運んでいる」と話す。

 同市開北小3年生の頃、スポーツ少年団で野球を始めた。父親とよくキャッチボールをしていたことや、仲の良い友達が加入していたことがきっかけだった。

 4年生に進級する際現在住む富谷市に引っ越し、その後も、スポ少や中学の部活などで野球を続けた。硬式、軟式両方の野球部が強豪である仙台商へ進学。当初は硬式野球部に所属していたが、クラブチーム経験者などレベルの高い選手たちの中で技術差に悩み、友人からの誘いもあって軟式野球部に移籍した。

 「軟式と硬式の差は、球速の出にくさや、点が入りにくい部分がある。少ない点を守り切っていく事が必要になる」と話す。

 佐々木主将は173センチ、63キロの右投げ右打ち。投手と外野手を兼任する。左右のきわどいところに投げ込むなど、コントロールを重視している。決め球のスライダーなどを用い、打者のタイミングを外し打ち取っていく。

 今年5月にあった春季東北地区高校軟式野球県大会の準々決勝で仙台育英と対戦し、ノーヒットノーランを達成した。夏の全国高校選手権県大会では、2試合に中継ぎとして登板。東東北大会では2試合先発し、完封した。

 「一番の敵は自分、自分に勝てなければ相手に勝てないと監督から言葉をもらっている。守り抜く持ち味を生かし、戦っていきたい」と語った。

 佐々木主将が軟式野球部に入部した1年の頃、秋の大会は1、2年生合わせて9人からのスタートだった。現在は1~3年生計26人(マネジャー含め32人)が所属し練習に励んでいる。

 西山康徳監督(42)は「今のチームは、現3年生が引っ張り、佐々木たちが作ってきた。気が利き、周りをよく見ている選手。投手、野手としてもチーム内で頼っている部分がある」と述べる。

 全国高校選手権は25日から、16校が兵庫県の2カ所の球場で競う。仙台商の初戦は26日正午、広島なぎさ(西中国代表・広島県)と対戦予定。

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