(984)のどおくに五臓ひろがる天の川/杉浦圭祐(1968年~)
天の川は晩夏から秋にかけてが最も明るい。その壮大な美しさが、感動として体全体に広がる様子を詠んでいる。「のどおく」の五臓に「ひろがる」のは天の川である。漢方医学の「五臓」は、肝、心、脾、肺、腎を指し…
関連リンク
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「秀句の泉」は、俳句の魅力を伝えます。執筆は俳人の永瀬十悟さん(福島県須賀川市)、浅川芳直さん(宮城県名取市)、及川真梨子さん(岩手県奥州市)の3人。古典的な名句から現代俳句まで幅広く取り上げ、句の鑑賞や季語について解説します。