(985)臨月の腹はみ出して秋日傘/松本てふこ(1981年~)
せり出した妊婦さんのおなか。およそその人のものではないような感覚なのだろう。もちろんおなかの中身は(へその緒でつながっているとはいえ)母体とは別個の新しい命なのだから、自分のおなかでないようなのは当…
関連リンク
- ・(984)のどおくに五臓ひろがる天の川/杉浦圭祐(1968年~)
- ・(983)鍋底のことさら昏(くら)しあまのがわ/増田まさみ(生年不詳)
- ・(982)風の日の蟷螂肩に来てとまる/篠原温亭(1872~1926年)
- ・(981)ふくしまをわけあふやうに桃を剥(む)く/千葉信子(1930年~)
- ・(980)天高く梯子は空をせがむなり/仁藤さくら(1948年~)
「秀句の泉」は、俳句の魅力を伝えます。執筆は俳人の永瀬十悟さん(福島県須賀川市)、浅川芳直さん(宮城県名取市)、及川真梨子さん(岩手県奥州市)の3人。古典的な名句から現代俳句まで幅広く取り上げ、句の鑑賞や季語について解説します。