(988)銀河ゆらぐ立てば絶食の膝頭/若生鷗子(1921~1958年)
作者は脊椎カリエスに苦しみ、闘病の果てに37歳の生涯を閉じた。銀河に圧倒されて病身をよろめかせたとでも言いたげな叙法に、己の病をも自然の諸相と捉えて詩歌とする俳人のすごみがある。「絶食の膝頭」と言っ…
関連リンク
- ・(987)鬼やんま飛ぶ病室や山近く/村上昭夫(1927~1968年)
- ・(986)乗機降下みるみるひとは色鳥に/栗林浩(1938年~)
- ・(985)臨月の腹はみ出して秋日傘/松本てふこ(1981年~)
- ・(984)のどおくに五臓ひろがる天の川/杉浦圭祐(1968年~)
- ・(983)鍋底のことさら昏(くら)しあまのがわ/増田まさみ(生年不詳)
「秀句の泉」は、俳句の魅力を伝えます。執筆は俳人の永瀬十悟さん(福島県須賀川市)、浅川芳直さん(宮城県名取市)、及川真梨子さん(岩手県奥州市)の3人。古典的な名句から現代俳句まで幅広く取り上げ、句の鑑賞や季語について解説します。