「カフェ文化」の薫り再び 喫茶ジジホウダン、憩いの場に 石巻・アイトピア通り
石巻市中心街のアイトピア通りに「カフェ文化」の薫りが戻ってきた。同市中央2丁目に「喫茶ジジホウダン」がオープンしたことで、通りに人の流れが生まれた。オープンから間もなく5カ月、今では市民や観光客の新たな憩いの場として親しまれている。
アイトピア通りでは昨年12月、昔ながらの老舗「加非(こーひー)館」が閉店し、喫茶店が消えた。市民が寂しい思いをしていたところ今年4月25日、ジジホウダンがオープンした。
店はもともと同市穀町にあった。オーナーの丹野将紀さん(29)は「穀町では両親が夜間にバー爺放談(じじほうだん)を経営しており、昼の時間帯だけそこに間借りして喫茶店を営業していた」と説明。独立するため物件を探していたところ、今の場所が見つかった。
席数はテーブル、カウンターなど合わせて18席と穀町の店と比べて倍以上になった。昭和レトロな雰囲気を大事にし、壁には絵画が飾られている。昭和50年代に流行したインベーダーゲームもあり、当時の空気感が漂う。
客層は高校生などの若者から親子連れ、年配者までと幅広い。メニューの一番人気は直径約20センチのホットケーキ。お勧めはローストビーフ丼という。
オープン後の土、日曜は店の前に列ができたが、今はそれも解消。「並ばなくてもいいようお客さんに電話番号を書いてもらい、店に入る順番が来たときに連絡している。その間、自由に過ごしてほしい」と語る丹野さん。「周囲にいしのまき元気いちばやカンケイマル・ラボ、石ノ森萬画館がある。回遊してもらうことで街に活気が生まれれば」との思いがある。
市内の70代女性は「アイトピアホールを利用しているので向かいに喫茶店ができて、友達とおしゃべりが楽しめる」と喜ぶ。丹野さんは「まちなかの喫茶店という環境を生かしたい」と考え、店内での朗読劇などを模索している。新たなカフェ文化の発信拠点になりそうだ。水曜定休。
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