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震災後、どう生きてきたか 「石巻かほく」短歌欄選者の斉藤さん、歌集発行

震災後の日常について詠んだ歌集「青葉の闇へ」

 石巻かほくの短歌欄で選者を務める仙台市在住の歌人斉藤梢さん(64)が第3歌集「青葉の闇へ」(柊書房)を発行した。

 歌集には、2013年から24年2月までの作品455首を収録した。<会ひたくて「探してます」と書きし人の必死を思ふ生きがたき時> は、東日本大震災で理不尽に命が奪われたことへのやるせなさや怒りを込めた一首だ。

 タイトルの「青葉の闇へ」には、震災で荒れ果てた土地が徐々に緑を取り戻し、木々が生い茂って木陰の「闇」ができるように、歌を詠むことで斉藤さん自身も心を整理整頓し、前を向くという意味を込めた。

 歌人で劇作家の寺山修司(1935~83年)の作品「書を捨てよ、町へ出よう」の表現を借りた <目薬をささずに今日は書を捨てて町に出ようか青葉の闇へ> という作品や <降る力ありてふりゐるこの雪に触れたくてひらく朝の手のひら> など、日々の生活の中で生まれた歌を収めている。

 歌集は7月20日に発行した。斉藤さんは「日常を詠んだ中に震災の歌があるように、震災はなかなか忘れられないもの。ぜひ石巻の方々にも読んでいただき、震災後をどう生きてきたのかを想像してもらいたい」と話した。歌集は2530円。連絡先は柊書房03(3291)6548。

石巻かほく・短歌

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