物流の停滞懸念「2024年問題」 県トラック協会石巻支部が実態調査
トラック運転手の時間外労働(残業)の規制が4月に強化されたことを受け、県トラック協会石巻支部は、物流の停滞が懸念される「2024年問題」の実態調査を会員事業所に実施した。このほどまとめた結果によると、荷主との運賃交渉が円滑に進んでいないことや、人材の確保を課題として挙げた事業者が多かった。
調査は24年問題への対応や課題、今後の影響を把握するため、7月17日~8月23日、138社に依頼して実施し、118社が回答した。回答率は85.5%。
24年問題への対応で既に取り組んでいることや今後取り組む予定の内容を聞く設問では「荷主との運賃交渉・その他待機時間削減等の話し合い」が25.9%で最も回答が多かった。「人材の確保・育成」(23.1%)「賃金を含む労働条件・職場環境の検討・見直し」(19.8%)が続いた。
発生した課題や今後考えられる影響については「営業収入の減少」(34.4%)がトップ。「従業員の賃金減少」(21.7%)「従業員らの離職の増加」(17.0%)も上位を占めた。
トラック協会に実施してほしい研修会の内容に関しては「各種助成金の活用」(33.3%)「人材不足・人材確保対応」(24.9%)が多かった。
石巻支部の武山孝好支部長は「24年問題に対し会員事業所が取り組んでいること、抱えている課題をしっかり把握した上で、会員のサポートに努めていく」と強調した。
支部は今後、会員事業所の要望を踏まえた研修会や、行政との連携による運送業に特化した企業説明会の開催を予定しているほか、専門家による個別相談会の実施も検討している。
【メモ】
4月に始まったトラック運転手の残業規制強化で、時間外労働に年間960時間の上限が設けられた。運転手1人の拘束時間(改善基準告示)は1日当たり原則13時間(最大15時間)、1カ月当たり284時間となった(労使協定などにより延長できる例外あり)。
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