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震災犠牲者悼む光 大川小卒業生有志ら、手作り紙灯籠430個 石巻

四つ葉のクローバーの形に並べられた紙灯籠
紙灯籠を前に「こころのつばさ」を披露する只野さん(左)ら

 東日本大震災の津波で児童・教職員計84人が犠牲になった石巻市の震災遺構「大川小」で7日、手作りの紙灯籠に明かりをともす「おかえりプロジェクト」があった。430個の灯籠が暗闇に浮かび、遺族や市民らが犠牲者に思いを寄せた。

 プロジェクトは卒業生らでつくる「Team(チーム)大川 未来を拓(ひら)くネットワーク」が主催し、昨年に続き3回目。当初はお盆に合わせて8月に予定していたが、台風の影響で2度延期していた。

 発光ダイオード(LED)照明に和紙をかぶせた高さ約20センチの灯籠が校庭などに並べられ、「おかえり」の文字やかつて児童が探した思い出のある四つ葉のクローバーを形作った。紙灯籠にはチーム大川と交流のある福岡や北海道などの中高生らが書いたメッセージが寄せられ「絆」「希望」などの言葉も浮かび上がった。

 日暮れ前にはコンサートが開かれ、メンバーが未来への希望を歌詞に込めた創作曲「こころのつばさ」を披露。会場ではキッチンカーの出店や物販販売もあった。

 会場を訪れた仙台市青葉区のボランティア団体役員清水弘一さん(83)は「13年前が思い出され、子どもたちの無念を感じる。このプロジェクトに訪れたのは初めて。若い人たちの発信の仕方を応援したい」と話した。

 チーム大川は、伝承や地域活性化の取り組みを進めるための拠点づくりにも取り組む。代表で震災発生当時同校5年だった只野哲也さん(25)は「他愛のないことでもいいから持ち帰り、また来たいと思ってもらえる場所でありたい。『子どもの命を真ん中に』という思いは変わらず、新しいものを生み出していきたい」と語った。

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