閉じる

フリースクール定員増へ 石巻のNPO、クラウドファンディング募る きょうまで

 石巻市内で運営するフリースクールの継続資金を募ろうと、同市の認定NPO法人「こども∞(むげん)感ぱにー」が、19日までクラウドファンディング(CF)に挑戦している。地域の課題でもある不登校の子どもの居場所不足を解消するため、集まった資金は受け入れ人数の拡大に向けて活用する。

スタッフとの会議に取り組むフリースクールの子どもたち

 同法人のフリースクール「ぽはっく」の定員を現行の10人から20人へ倍増させる。定員を増やした場合の年間運営に必要な新規雇用スタッフの人件費など165万円を募る。本年度は6月上旬に定員に達し、現在は19人の利用者に対してスタッフ2人と数人のボランティアで対応しているという。

 「ぽはっく」は同市鹿妻の活動拠点で毎週3日開く。学校に通わない6~18歳の児童・生徒を対象とする。不安や孤立に悩む子どもが安心して過ごせる居場所や学びの場を目指し、食事作りやスポーツ、工作などの体験活動を実施。生活の中でさまざまな学びを得てもらおうと工夫を凝らす。

 担当の千葉拓己さん(29)は「活動を通して小さな自己実現を重ねることで、将来のことや夢をイメージできる子どもに育てたい」と強調する。利用者が主体となって過ごし方のルールやイベントを考える「こども会議」や、住民ボランティアとの交流を通じ、地域社会との接点づくりも見据えている。

 市によると、2022年度の市内の不登校の子どもは401人だった。一方、市と民間が運営するフリースクールは計3カ所で、利用者は計約40人。市内の不登校児の約9割は、学校以外の居場所に出合えていない実情がある。

 千葉さんは「勉強や人間関係でつまずいて学校に通えなくなったときに、居場所が家だけしかないのでは子どもの教育を受ける権利が失われてしまう。学校外での体験活動や、地域社会と関わる機会がさらに必要だ」と話した。

 専用サイト「CAMPFIRE(キャンプファイヤー)」で寄付を受け付けている。問い合わせは同法人070(2436)8517。

石巻市の不登校の子どもたちの学びの場を継続したい - クラウドファンディング CAMPFIRE

関連リンク

関連タグ

最新写真特集

石巻かほく メディア猫の目

「石巻かほく」は三陸河北新報社が石巻地方で発行する日刊紙です。古くから私たちの暮らしに寄り添ってきた猫のように愛らしく、高すぎず低すぎない目線を大切にします。

三陸河北新報社の会社概要や広告などについては、こちらのサイトをご覧ください ≫

ライブカメラ