女性が活躍できる社会に ジャーナリスト池上さん、石巻で講演 地域存続テーマ
ジャーナリスト池上彰さんの講演会が14日、石巻市山下町1丁目の禅昌寺で開かれた。「地域の存続」をテーマに語り、「女性が自立し、希望を持てる社会をつくることが重要だ」と強調した。
池上さんは市が将来的に「消滅の可能性がある」自治体に分類されたことを話題に上げた。東日本大震災の発生直後と現在を比べ、「以前は絆という言葉がよく使われたが、今はそれが嫌で都会に出て行く人がいる。適度な距離感が必要とされる時代になった」と指摘した。
人口流出の問題にも触れた。進学で地域を離れる人材が一定数いることは当然としながら、「地元がいいと戻ってきてもらうには就職先がないと駄目だ。働き先があって互いに過干渉せず、困っていたら助け合える社会をつくることが大事だ」と語った。
自身が取材した能登半島地震の復興状況も紹介し、復旧の遅れを震災当時と重ねた。「行政に頼れないと民間が動くようになる。震災後の石巻では女性が起業し、自立する動きが現在まで続いている」と評価。「女性が出て行ってしまった地域は先細ってしまう。女性が活躍できる石巻をつくれば街は活性化していく」と提言した。
市内の一般社団法人りとりーとが主催。市内外から約115人が参加した。講演会の後には池上さんと市内の復興支援団体などによる座談会もあった。
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