石巻・アイトピア、ミニギャラリー通りに 3店舗が写真、絵画展示
石巻市中央のアイトピアが“ミニギャラリー通り”になりつつある。わずか100メートルほどの区間で、3店舗が店内に写真や絵画を展示、市民や観光客の目を楽しませている。街中で芸術の秋に触れる機会を提供している。
石巻まちの本棚では、同市出身の写真家橋本照嵩さん(84)=さいたま市=の写真展が10月27日まで開かれている。1960年ごろに撮影したと思われる橋通りや内海橋、中瀬のほか、橋本さんが生まれ育った広小路など計10点で、往時の街のにぎわいが伝わってくる。石巻市出身のコメディアン・故由利徹が凱旋した時の貴重な写真もあり、市民が興味深そうに見入っている。
11日に再開した加非(こーひー)館には、同市出身の洋画家で石巻女子高(現・石巻好文館高)の美術教師だった浅井元義さん(1938~2018年)の小品2点が展示されている。教え子らでつくる「アサイ美術部」が再開を祝い寄贈した。ヨーロッパを旅行した時の街のスケッチ画が、店内の落ち着いた雰囲気にマッチしている。今後、浅井さんの作品を展示するコーナーの開設も検討している。
丹野将紀さん(29)と文さん(29)夫婦が二人三脚で切り盛りする喫茶ジジホウダンにはゴッホやキリコ、佐伯祐三らの絵画7点(複製も含む)が壁に飾られている。4月に穀町から移転し店が広くなったのを機に店内をミニギャラリー風にした。文さんは「絵が好き。ほかの絵もあるので、入れ替えたりしてアート空間を大切にしたい」と話す。おばで、抽象画家たんのそのこさん(55)=盛岡市=が制作、2人にプレゼントした小品2点も彩りを添える。
アサイ美術部の和田佳子さん(61)は「店に絵や写真があると街中を歩くのも楽しくなる。アイトピアが、アートあふれる通りになるよう私たちもお手伝いしたい」と語る。
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