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持続可能な漁業どう描く 県内担い手、石巻で交流大会 活動成果を発表

地域漁業の活性化に向けた取り組みが発表された交流大会
浜にある資材でナマコの採苗器を手作りする漁業者ら=2024年5月(県漁協谷川支所青年部提供)

 県内の漁業者グループが日頃の活動成果を発表する県青年・女性漁業者交流大会が25日、石巻市北村の遊楽館で開かれた。石巻市などの2団体が、持続可能な漁業の確立に取り組んだ成果や販路拡大の取り組みなどを紹介した。審査の結果、県漁協谷川支所青年部(石巻市)が青年の部で最優秀賞に輝いた。来年3月に東京で開かれる全国大会に県代表として出場する。

 少子高齢化などで担い手が減少する中、地域漁業活性化の参考にしてもらおうと開かれており、21回目。県内の若手漁業者や漁協女性部員など約100人が出席した。

 県漁協谷川支所青年部は、会長の渡辺隆太さん(40)がホヤの種苗生産について発表した。湾内に幼生が出現する時期やその水温などのデータを蓄積。漁業者にリアルタイムで提供し、共有することで、採苗作業の効率化につなげた。

 ナマコの種苗生産にも取り組んでおり、浜にある資材を使って漁業者が自ら採苗器を作るなど、試行錯誤しながら稚ナマコを増やしてきた。

 渡辺さんは「若い漁業者が率先して資源管理に取り組むことで、浜全体の意識が高まった」と強調。「将来、高水温などで漁業環境が大きく変わるかもしれないが、仲間と柔軟に対応していきたい」と結んだ。

 女性の部では、海産物通信販売「たみこの海パック」(南三陸町)が最優秀賞を受賞した。代表の阿部民子さん(62)は発表で、海産物詰め合わせの通販や規格外の海藻を使った加工品製造を通して、子育て女性の雇用を創出するなどした成果を紹介した。県漁協谷川支所青年部とともに全国大会に出場する。

 交流大会は新型コロナウイルス感染拡大に伴い中止やオンラインでの実施などが続いていた。県によると、通常開催は2019年以来5年ぶり。

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