復興支援 三宝化成工業、食品容器の新工場着工 2026年1月の操業目指す 石巻
食品容器製造業の三宝化成工業(大阪府)が石巻市下釜南部地区の産業用地に建設する新工場の地鎮祭と起工式が9月24日、現地であった。2025年12月の完成、26年1月の操業開始を目指す。地元を中心に正社員50人を採用し、初年度の売上高は50億円を見込む。
工場は鉄骨一部4階で、延べ床面積は2万6532平方メートル。生ガキやメカブの容器、大手コーヒーチェーンやコンビニの飲料カップ、県内プロスポーツチームの本拠地で使用されるドリンクカップなど、年間約10億個を製造する。環境に配慮した原料をメインに使用し、ドリンクカップはペットボトルのリサイクル品を主原料とする。
地鎮祭と起工式には関係者ら約25人が参加した。奥圭司社長は「雇用の創出に貢献し、感謝を忘れず(お世話になってきた)石巻への恩返しのつもりで頑張る」とあいさつした。県東部地方振興事務所の石川佳洋所長は「石巻工場は『富県みやぎ』の発展に貢献する。関係機関と連携し、全力で支援する」と祝辞した。
同社は市が東日本大震災後に整備した産業用地1万5162平方メートルを約4億1000万円で取得した。総事業費は用地取得費を除いて約100億円。国の津波・原子力災害被災地域雇用創出企業立地補助金を活用する。
23年7月に県、市と立地協定を結んだ。地元雇用の促進などで協力し、操業から5年後には最大で100人の雇用体制にする方針。
同社は1980年設立。石巻地方の水産加工会社などに顧客が多く、市内には東北支店がある。製造拠点は島根県の松江工場に次ぎ2カ所目で、石巻工場は同社最大規模となる。年間売上高は当初計画の50億円から5年後には100億円への倍増を目指す。
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