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北限のオリーブ、実り豊か 収穫開始、オイルに加工 石巻・沿岸部の被災地活用

艶やかなオリーブの実。木々に鈴なりになった

 特産化を目指し、東日本大震災で被災した石巻市沿岸部で栽培するオリーブの収穫が30日、北上地区などの圃場で始まった。昨年より10日ほど早い。市全体では北上、河北、雄勝、網地島の4地区で計2トンを収穫できる見込み。

 同市釜谷の圃場では、農業生産法人「宮城リスタ大川」が管理するオリーブの木435本に鮮やかな緑の実が育った。朝早くから約20人が作業し、鈴なりになった実を手摘みした。収穫後6時間以内に搾り、オリーブオイルに加工した。

 大槻幹夫会長(82)は「木が成長して去年の2倍は収穫できそうだ。風味もいいと思う」と話した。

 市内では特産化を目指し2014年、木30本の試験栽培が始まり、現在計約3000本が栽培されている。全てが成木に育てば最大5トンほど収穫できるようになるという。

 オイルの価格は36グラム2700円、92グラム5400円の予定で、市小船越の道の駅「上品の郷」などで販売する。

 試験栽培開始から10年がたち、市農林課の中野勝彦主幹は今後の課題に販路の拡大を挙げた。「特産として知名度を上げる必要がある」と述べた。

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